中邑真輔(35)がIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(27)を破り、決勝進出を決めた。オカダがレインメーカーを繰り出す瞬間に腕を取り、腕十字固めで逆転勝ち。今日16日、両国国技館での決勝戦は、数々の名勝負を繰り広げてきたライバル、棚橋弘至(38)とともに2度目の優勝を懸けて戦う。

 13年のレスラー人生のすべてを、その一瞬につぎ込んだ。オカダがレインメーカーを決めようと振りかぶった右腕に、中邑は飛びついた。両足で首をがっちり固め、腕を締め上げる。立ち上がろうともがくオカダに、全力を絞り出した。再び倒れたオカダがマットをたたく音も聞こえなかった。リング上でマイクをつかむと「スゲー、スゲー。あと1つ。命を燃やそうか。イヤァオ!」と絶叫した。

 「オカダ・カズチカ、出し惜しみはなしだせ。次はどうなるかなんて、神様しかしらねぇよ。今日も出し切った。あともう1つ。棚橋、燃えるぜ」。あえぎながら、中邑は何とか声を出して言った。左ひじの負傷から、戻らない体調。毎試合が苦戦の連続だった。そんな苦境をレスラー人生で培った引き出しの多さが救った。

 不戦敗を含む2敗の崖っぷちから、よみがえった。オカダ、後藤のIWGP両王者を破っての1位通過。2つのベルトへの挑戦権も事実上、手に入れた。しかし、その前に11年以来の2度目のG1制覇が目前となった。相手は、ともに新日本を支えてきた棚橋だ。

 2人ともG1は8回目の挑戦で優勝。対戦成績も、中邑の7勝8敗1分けと張り合っている。プロレス人気が復活し、新日本の神髄であるストロングスタイルを貫いてきた中邑と、変革のために古い新日本を壊してきた棚橋が今、雌雄を決することに意味がある。中邑か、棚橋か。時代はどちらを勝者に選ぶのか。【桝田朗】