正月恒例、新日本プロレスの1月4日の東京ドーム大会が3日後に迫る。過去最大規模の観客動員を見込む日本プロレス界最大の興行で、メインカードに組まれるのはIWGPヘビー級選手権。30歳になり立ての王者オカダ・カズチカに、制御不能ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)」を率いる内藤哲也(35)が挑む。実力のオカダ対人気の内藤。若手時代から因縁渦巻く2人の1つのクライマックスが近づくなか、それぞれの心境を直撃した。
「僕は0対10でも良いと思っているんですよ、応援が。はっきりしているじゃないですか。『オカダ、本当に負けてくれ』というくらいまで突き抜けたい。ブーイングされても黙らせる自信はありますしね。する余裕もなくなってくると思いますし、お客さんも試合に入っちゃって」。
王者オカダを取り巻く環境は、この1年間でよもやの方向に振れた。会場で響き始めたのはブーイングだった。理由は単純明快、強すぎるから。ヘビー級ベルトの最長保持期間も歴代1位になり、負ける姿が想像できない。ゆえに判官びいきの心情が、LIJの内藤人気とシンクロする形で、反オカダの雰囲気をつくり出した。
ただ、当人はハンパな非難ではなく、完全な非難こそ求める。それくらい憎たらしい存在として君臨したい使命感がある。「ロス・インゴのブームも結局は僕のおかげじゃないですか。僕が強いから倒してほしい人が内藤さんに乗っている。僕がいなくなったらブームはなくなるでしょう」。自負がそう言わしめる。
1月4日、試合で見せたい物がある。新日本プロレスは昨年7月に米国で興行を行った。世界最大の団体WWEが牛耳る国への殴り込みの旗振り役は、当然ヘビー級のベルトを巻くオカダだった。そこで肌で感じた関心度の高さ。1つには昨年大会のメインでオメガと戦った王座戦の評価の高さがあった。だからこそ、「すごく世界から注目されていると思うし、今年はまたあれ以上の戦いがあるのかと見られると思われる」。それに応え、王者として団体の世界戦略をけん引しなければならない。
4年前、内藤を相手にした防衛戦はダブルメインカード扱いになった。ファン投票で棚橋対中邑のインターコンチネンタル王座戦に敗れて大トリはかなわず、セミファイナル扱いに甘んじた。「悔しかった。その年はずっと防衛戦を戦い続け、勝ち続けたから」。屈辱をカンフル剤に、その後は憎たらしいほどの絶対王者ぶりを示し続けてきた。
「僕はやっぱり、チャンピオンとしてチャンピオンの仕事をしなくてはいけない」。視線を海の向こうに向け、内藤ファンを沈黙させる熱戦を体現する。

