ボクシングWBO世界スーパーウエルター級3位井上岳志(29=ワールド)が16日、世界初挑戦へ向けたスパーリングを打ち上げた。

都内の角海老宝石ジムに、今年に入って3度目の出稽古で8回をこなした。26日に米ヒューストンで挑戦する身長が10センチ高い王者ハイメ・ムンギア(22=メキシコ)を想定。WBO世界スーパーライト級2位岡田博喜(29)を相手にした。

岡田とは主将だった東京・駿台学園高で同級生だった。「卒業後は初めて」という10年ぶりのスパーで、合計3日間22回を消化した。岡田も2月に試合を予定しているだけに、力の入った実戦となった。

井上にとっては相手の懐に入って接近戦に持ち込み、フィジカルとパワーを生かしたいところ。「ヒット&アウェーならぬヒット&密着がカギ」と言い、斎田会長は「ジョロウグモ作戦」と命名した。さまざまなパンチ、フェイントなどを駆使して飛び込み、ショートレンジからのパンチを打ち込んだ。

今回は何度も試合がのびた分、試合に向けた準備でさらに成長した手応えがある。12月に一気に世界戦と決まってからのこの1カ月半でも「また成長することができた」とも話す。特に右ストレートは「ヒザを柔らかく使うことでより打ち込めるようになった」という。

井上は「勝つイメージが出来上がった」と自信を口にした。試合まではあと10日となり、ここからはコンディションを最優先の調整に入り、20日に渡米する。