世界3階級覇者のWBO世界フライ級王者田中恒成(23=畑中)が同級4位田口良一との初防衛戦に向け、心強い援軍を得た。

22日、名古屋市内のジムで公開スパーリングを行ったが、バンデージを永末貴之氏(37)を巻いてもらった。同氏は“モンスター”WBA世界バンタム級王者井上尚弥も担当する、その道のスペシャリスト。ボクサーの命と言える拳を、田口戦でも任せる予定だ。

バンデージはグローブをつける前、拳にテープを巻くこと。巻き方や素材によってフィット感、力の伝え方、保護などに大きな差が出る。永末氏は専門学校で学んだテーピング技術に加え、総合格闘技「PRIDE」のバンデージチェック担当として何百通りもの実例を検証した。「外国人に比べ、日本人は拳の骨が弱い。拳の保護に重点を置いています」と、オリジナルの技術を確立。トレーナー業と並行し、14年の経験を積んできた。

田中は16年5月、ミニマムからライトフライに階級を上げてのノンタイトル戦で右拳を痛めた経験がある。「昔から“何とかならないか”と思ってました」と言うだけあって、4ラウンドのスパーリング後「自分の要望通り、的確にスピーディーに巻いてもらえた。(拳が)すごく安定している感じ」と心地よさに笑顔を見せた。15年から昨年までは年間2試合だったが、今年は3試合を考えており、拳は大事にしたい。まずは田口戦で、元気な拳で強いパンチを見せる。【加藤裕一】