昨年末のボクシング日本バンタム級王座挑戦後に右硬膜下血腫で開頭手術を受け、2日に23歳で死去した穴口一輝さん(真正)に向け、所属ジムが追悼した。

3日、東京・後楽園ホールで開催されたジム主催興行の開始前に1分間の黙とうがささげられた。メインでは、穴口さんと同門の先輩となる小林豪己(25)がメインでWBOアジア・パシフィック・ミニマム級王座の返り咲きに成功し、天国の後輩に向けてベルト獲得を報告した。

WBOアジア・パシフィック王座ベルトを巻いた小林が、リング上で穴口さんの名を絶叫した。「一輝、やったぞ!」。同級王座決定戦を争った金谷勇利(27=金子)から計3度のダウンを奪取。3回2分27秒、レフェリーストップによるTKO勝ちを収めた。穴口さんとは大学も、プロ所属先も一緒。自宅も近く「昨日の今日。受け止められずパニックになった。身体の一部を失った気持ちだった」と明かした。

小林は王座戦前夜、所属ジムの山下正人会長(61)から「もし(穴口さんが)目覚めたら『ここで落ち込まないでください。明日は信じている』と言うはず」と言葉で勇気づけられた。「負けるのが何より怖かった。勝てて良かった」と目を真っ赤に染めて安堵(あんど)した。

この日の主催興行開始前には、日本ボクシングコミッション関係者、観客ら、来場者全員で1分間の黙とうをささげた。穴口さんに最後まで付き添った同会長は「試合が終わってからずっと苦しむことなく、穏やかな顔をしたままでした。よく頑張ってくれたので、本当に天国で安らかに休んで、見守ってほしい」と悼んだ。「この1カ月間、ある程度は覚悟し(心の)整理をしていましたが…自分は一生で一番ぐらい泣きました」と沈痛な表情。穴口さんの夫人、両親、祖父母と一緒に病院で最期をみとった。遺体は3日午後、実家のある大阪・岸和田市に運ばれた。通夜は5日、葬儀・告別式は6日、同市内で営まれる予定だ。