ボクシングIBF世界ライトフライ級2位の矢吹正道(32=LUSH緑)が2年半ぶりの世界戦に挑む。
10月12日にAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で同級王者シベナティ・ノンシンガ(25=南アフリカ)に挑むことが23日、大阪市内で発表された。かつてはやんちゃを繰り返した「元ヤンボクサー」の第2章。矢吹は判定無用のKO決着を宣言した。
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いかついサングラスで隠した表情に決意を秘めていた。矢吹は「やっと決まったかという感じですね」。同級王者への挑戦権をかけた試合に勝利しながら、実現には時間を要した。「もう1度、世界王者になるためだけにボクシングを続けてきた」という執念が、ようやく現実となった。
暴走行為など「やんちゃ」を繰り返した少年時代から世界王者となった経歴が話題となった。しかし、ベルトを奪った寺地拳四朗とのダイレクトリマッチに敗れて陥落。昨年1月にIBF世界同級挑戦者決定戦に勝利して再び道が開けた後、5月に左アキレス腱(けん)断裂の重傷を負った。
スパーリングの最中「ブチッ」というイヤな音を聞いた。8月の試合はキャンセル。手にした世界王者への挑戦権も自動消滅した。目標を失い、モチベーションも失いかけた。現役引退に気持ちも動いたが、家族の励ましに再起を決めた。
人工靱帯(じんたい)でつなぐ手術を受けた。その際、執刀した医師に言われた。「骨は(けがする前より)100%以上になる可能性もあるが、靱帯は100にならない。しっかり動けるようになるのも1年以上かかる」。心が折れかけたが、最終的には戦う意欲が上回ったという。
今年3月に名古屋でケビン・ビバス(ニカラグア)と対戦。413日ぶりの復帰戦を4回TKOで飾った。試合後に「目標はもう1度世界王者。世界一の男になります」と誓っていた。そのチャンスを得た。
王者もKO率が高いハードパンチャー。矢吹は「お互いリスペクトを持ってKOを狙って戦いたい」。倒すか倒されるか。矢吹は早くも腹を決めた。【実藤健一】
◆矢吹正道(やぶき・まさみち)本名・佐藤正道。「佐藤じゃつまらない」と不滅のボクシングマンガ“あしたのジョー”の主人公・矢吹丈からリングネームをもらった。1992年(平4)7月9日、三重・鈴鹿市生まれ。16年3月、2回TKO勝ちでプロデビュー。20年7月、日本ライトフライ級王座を獲得。21年9月にWBC世界ライトフライ級王座獲得も寺地と22年3月の再戦に敗れる。戦績は16勝(15KO)4敗。身長166センチの右ボクサーファイター。家族は恭子夫人と1女1男。

