ボクシングWBOアジア・パシフィック・バンタム級王者那須川天心(26=帝拳)が「挑発」に対して堂々と受けて立った。24日、東京・有明アリーナで前WBO同級王者ジェーソン・モロニー(34=オーストラリア)との同級10回戦を控え、22日には両者そろって都内で会見に出席。前王者から対戦を時期尚早と言われたことに対し、全力ではね返す勝利を誓った。またWBC同級王者中谷潤人(27=M・T)、WBA同級王者堤聖也(29=角海老宝石)らダブル世界戦に臨む選手も会見に登場した。

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公式会見で、モロニーと間近で対面した那須川は落ち着いた表情を浮かべた。写真撮影で並び立ったものの「目も合わなかった。僕は普通に相手を見るので。こっちを見るそぶりはなかったし思うことがあるのかなと。試合前としてはすごく良い。ワクワクしている」と気持ちを高揚させた。

プロ30戦を経験し、5度の世界戦に臨んできた前世界王者から「彼にはこの挑戦がまだ早すぎたことを分からせたい」とのメッセージを受けた。昨年5月まで世界王者だったモロニーから風格を示された形だが、那須川は冷静だった。「まあ、それは言いますよね、みんな。どう考えても早いと思う」と前置きした上で、こう言った。

「そこのレベルにいるというか、練習の中でそれ以上のものを作ってきた自信がある。まあ、なめてもらっっちゃ困るよと。全部ぶつけにいく」。

WBCとIBFで5位に入るモロニーから「自分のキャリアでも最重要の試合」と十分すぎる意気込みも感じ取った。那須川もWBA同級2位など上位に入っており、生き残りを懸けたランカー対決だけに「そう来てもらわないと困る。意気に感じている。しっかり受け止め、はね返したい」と自信に満ちあふれた。

23日には2度目のバンタム級リミットによる前日計量が待つ。那須川は「太陽の光をしっかり浴びてエネルギーを感じて。禅を組んだり。今まで以上に落ち着いている。試合前だけど燃えすぎないというか。内なる炎、青い炎でいる」と静かに燃えた。【藤中栄二】

〇…再起戦となる前王者モロニーは那須川戦をステップに世界王座返り咲きを狙う。昨年5月、武居由樹(大橋)に敗れ王座陥落して以来、約9カ月ぶりのリング。勝てば再び世界王座に戻る好機を得られるだけに「自分にとって大きなチャンス。これまでのキャリアにないほどしっかり準備してきた。ハードファイトになるだろう。そのハードファイトに対峙(たいじ)し、できる限りのことを出したい」と口にした。