プロボクシングWBC世界バンタム級2位の那須川天心(27=帝拳)が8日、都内のホテルで再起戦(11日、東京・両国国技館)に向けた公式会見に出席した。
同級挑戦者決定戦で拳を交える元2階級制覇王者の同級1位フアンフランシスコ・エストラダ(35=メキシコ)と初対面。昨年11月、井上拓真(大橋)との同級王座決定戦で敗れて以来、約5カ月ぶりのリングに向け、ピリピリムードを漂わせた。
勝利への貪欲な姿勢が雰囲気と言葉からあふれ出ていた。那須川は「もう自分には負けたくないので、腹をくくっています、はい。必ず勝ちます」と真剣な表情で言い切った。減量と同様、無駄なものがなくなり、研ぎ澄まされた眼光。フライ級、スーパーフライ級で王座統一したレジェンドと並び立った那須川は勝負師の顔だった。
海外のブックメーカー(賭け屋)のオッズでは、実績を積んできたエストラダが少し優位だ。英大手ウィリアムヒルでは、那須川の勝利に2・00倍、エストラダの勝利は1・80倍がつけられた。僅差ではあるが劣勢の予想となる。那須川は「復帰戦でやる相手ではないと言われるが、勝つか負けるか分からないというか。いろんな予想はあると思うが、そんなクソ食らえであっかんべーです。はい」とキッパリ。続けて「必ず勝ちますので。やってみなければ分からないし、自分の人生は実験だと思っていますから。必ず勝って、良い結果を」と自信の表情を浮かべた。
3年前の4月8日にボクシングデビューしてから、ちょうど3年。那須川は「いろんな経験させてくれますね、本当にボクシングは。前回は初めて負けたこともそうですし、なかなか思ったようにいかないことが多い。想像していたものよりもはるかにデカイところにいるなと。だけど、そこから逃げていても何も起こらない。ボクシングというものにとても強い生きがいを感じています」と感慨深げだ。
今回はキック時代の15歳からパンチ技術を伝授されてきた元帝拳ジムトレーナーで現GLOVESジムの葛西裕一会長(56)とのコンビを組んだ。毎週のようにTEPPEN GYM会長の父弘幸氏のもとにも足を運んで調整するなど「原点回帰」しながらエストラダ戦に備えてきた。
那須川は「本当にいろいろな取り組みをしてきた。この結果が良かったのかそうではなかったかは試合になってみないと分からないが、ここまでやってきた道のりというのは厳しくて本当に辛い、試合までの期間ではありました。精神面だったり、自分のことが信じられなくなったり、たくさんあった」と振り返りつつ、勝利を渇望した。
「本当、前回の試合からこの日のためだけに、日々を過ごしてきた。本当に人間はここまで本気で一生懸命やれば、ここまで変わることができるんだという人間の可能性をみせたい。自分を変えることができると思っています。しっかり勝つ瞬間を味わいたい」
試合まで3日。もう心身の準備は整っている。

