白鵬(30=宮城野)は左膝痛のため、横綱在位49場所目で初めて休場した。歴代1位の幕内連続2桁勝利は51場所、横綱連続出場は722回で途切れた。

 白鵬が3日目から秋場所を休場した。横綱昇進後、初の休場。全治4週間で「左大腿(だいたい)四頭筋腱炎(けんえん)」との診断書を協会に提出。午前中に都内の病院で精密検査を終え「力が入らない状況。休場ということになりました。皆さんに申し訳ない。きれいな体で土俵に上がれればいいですね」と話した。前夜は深夜3時まで知人らに相談し、大関だった06年九州場所以来、約9年ぶりの休場を決めた。

 墨田区内の部屋に戻ると、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)に報告。前人未到の連続記録も途絶えた。「唯一、本場所も巡業も休まずやってきたのが自分の長所だったので、ショックもある」。師匠は「もうちょっと悪かったら(腱が)切れるぐらいだった」とけがを心配しつつ「(表情が)スッキリしている。本人も『気がこんなに楽になるものなのか』と。それだけ重みがあったということ」と代弁した。

 異例の事態は周囲にも影響した。千秋楽までに懸賞が計78本取り消され、担当は懸け替えに奔走。場所後に予定していた最多優勝記念パーティーは、来年初場所後へ延期が決定的。来月5日の東京・明治神宮、7日の栃木・日光東照宮の奉納土俵入りもきわどい状況。師匠は「難しいんじゃないか。重いものを着けるわけだから」と見解を示した。

 白鵬は「そんきょしたり立つときは、7割は右脚を使っていた」と明かした。「しっかり体と相談して決めたい」。モンゴルには帰国せず、温泉治療などを計画している。秋巡業は途中参加、九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)での完全復活を目指して、治療に専念する。【桑原亮】

 ◆大腿四頭筋腱炎 格闘技やサッカーなど、コンタクトスポーツによる大腿部の打撲や挫傷が主な原因。オーバートレーニングなど、患部の酷使により炎症部位が広がることも一因に挙げられる。運動すると痛みが生じるが、悪化すると安静時にも痛みが出ることがある。