綱とりメニューが決まった! 日本出身力士として10年ぶりの優勝を果たした大関琴奨菊(31=佐渡ケ嶽)は一夜明けた25日、千葉県松戸市の部屋で会見。「世界が変わった」と実感を語った。初めての綱とりとなる春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けて、フィジカル担当の塩田宗広トレーナー(38)は山登りなど多種多彩なトレーニングを取り入れていくことを明かした。

 優勝から一夜明けると、そこは別世界だった。テレビカメラ7台、約70人の報道陣に囲まれた琴奨菊は笑いながら驚いた。「こんだけ世界が変わるんだな、と言うくらい変わりました。もっとやる気が出ます」。大きく取り上げられた初優勝。ソフトバンク本多雄一らから祝福の花も届いた。「若い衆に全紙、買っておいてと言いました。本当にうれしいです」と喜んだ。

 やはり、人知れぬ重圧があった。13日目に豊ノ島に敗れた夜から、3日間の睡眠はたった10時間。「実は眠れていなかった」。体重は10キロ近く落ちて、久しぶりの170キロ台。ただ「若い衆が(スープやカレーなど)食べやすいものをと、ちゃんこのメニューを考えてくれた」。我慢して腹に入れて、力を出し切れた。

 悲願の初優勝で、春場所は横綱昇進が懸かる。綱とりメニューは早くも決まった。半年前から体幹を鍛え抜いて最高の結果に導いた塩田氏が明かした。「最初は心拍系トレで息を上げます。山歩きをさせたい。でも、千葉には近くに山がないので自転車トレと、重りがついたタイヤを引きずって1キロ歩かせます。それが山歩きと似ているかな」。

 今場所前、千葉競輪のバンクをママチャリで疾走した。その練習を繰り返す。レーサー用の自転車でないのは「さすがに、こかすわけにはいかないので」。

 2月29日の番付発表後は神戸市の六甲山で山登り。「歩いて30分、200メートルほど登らせたい。最初は普通に歩き、次は早歩き。しんどいことへの耐性になります」。スーパー銭湯で休息し、夜は体幹トレとの2部練。もちろん、稽古は当たり前。「その前にいいオフを取ること。それが鍵になる」と力説した。

 そんな塩田氏に「しゃべりすぎ」と笑った琴奨菊。「頑張ったら頑張った分だけ、自分にご褒美ができる。相撲人生に悔いがないように臨んでいきたい」と力を込めた。【今村健人】