横綱白鵬(31=宮城野)が東前頭筆頭の御嶽海を寄り切り、3勝目を挙げた。初顔には28連勝で、玉錦に並ぶ昭和以降2位タイに浮上。通算1000勝までは残り10勝とした。2横綱2大関が相次いで敗れる中、綱とりの大関稀勢の里は盤石の相撲で3連勝。早くも白鵬との一騎打ちの様相を呈してきた。

<白鵬、御嶽海を下し初顔28連勝>

 格が違う。それを、まざまざと見せつけた。立ち合い。白鵬は、新鋭の御嶽海に右の張りを見舞う。あっという間に左四つで組むと、一気に寄り切った。わずか2秒6。初顔合わせの連勝を玉錦に並ぶ「28」に伸ばし「まあ、当然ね」と涼しい表情で言いはなった。

 玉錦は現役時代、173センチと大きくはなかった。だが稽古場に包帯が散らかるほど生傷をつくる猛稽古で、ついたあだ名は「ボロ錦」。努力が実り、第32代横綱となった。さすがに今の白鵬が生傷をつくることは少ないが、横綱になっても四股、すり足などで汗をかくことを怠らない。場所中は軽い調整で終える力士が多い中、必ず大粒の汗をかく。この日は今場所初めて朝稽古を休んだが、それは史上3人目の通算1000勝達成へ意気込むあまり、調整が早すぎたため。普段は後半戦にピークを合わせるが、初日から抜群の切れ味で相手を圧倒。暑さとも闘う名古屋で、勝負の後半戦に向けて抑えるほど、仕上がりは良い。

 場所前には初めて対戦する相手の部屋に出稽古するのも恒例で、御嶽海にも5日に稽古をつけた。入門から8場所でスピード出世した新鋭の素質も認めたが、本場所の土俵では何もさせなかった。「当たり前だ」。目指すは、あと10勝に迫った大記録。まだまだ、通過点だ。【桑原亮】

<稀勢の里、宝富士に左四つ完勝>

 稀勢の里はやはり危なげなく、宝富士を寄り切った。左を差して、右上手をつかんだ瞬間に前へ。過去11勝1敗と合口の良い相手に何もさせず「立ち合いで負けないように。集中してやれました」と涼しい顔で初日から3連勝を果たした。

 2横綱が敗れて、3日目にして早くも上位の全勝は白鵬と照ノ富士の3人だけとなった。場所前は、立ち合いの動作を頻繁に動画で撮らせて確認するなど納得いかない部分もあったが、この3日間はいずれも得意の左四つでの完勝。「いい感じです。状態はいいですよ」。歯車をきちんと合わせられるところが一昔前とは違う。弟弟子の高安の活躍も「いいと思う」と刺激に感じながら、取りこぼしへの注意を最大限に払う。