日馬富士の貴ノ岩暴行問題、始まりは錦糸町での口論

 大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が平幕の貴ノ岩(27=貴乃花)を殴打した問題で、事態の発端が18日までに明らかになってきた。捜査関係者らの話を総合すると、発端は秋場所後に東京・錦糸町のバーで貴ノ岩が元幕内の先輩力士らと口論になったことがきっかけ。これを10月25日に鳥取市内の飲食店で横綱白鵬(32)がたしなめたが、この時の貴ノ岩の態度に日馬富士が激怒し、暴行につながった。貴ノ岩の休場理由など不明点は多く残るが、徐々に当時の状況が分かってきた。

 鳥取で起きた日馬富士の暴行問題は、その約1カ月前に起きた東京・墨田区の錦糸町での貴ノ岩のトラブルが根底にあった。鳥取県警の捜査関係者らの話を総合すると、暴行に至るきっかけや動機が分かってきた。

 9月下旬の錦糸町のバーで、酒に酔った貴ノ岩はモンゴル出身の若い衆を説教していた。声を荒らげるなどヒートアップしたため、同席していたモンゴル出身の元幕内力士、元十両力士(いずれも現在は引退)らが「ほかにお客さんもいる。力士が大声出したら怖がられるからやめなさい」などとなだめようとした。しかし、貴ノ岩はおさまらず、モンゴルから来日した白鵬の友人もいる中「俺は白鵬に勝った」「あなたたちの時代は終わった」「これからは俺たちの時代」などと言い、口論になった。

 同席していた元幕内力士は「注意したつもりが、貴ノ岩はでかい声で返してきた。横綱の友人もいたのに…」と振り返る。白鵬を否定されたように受け止めた白鵬と懇意にしている友人は、気を悪くしていたという。後日、同席者によって、事情は白鵬に伝わった。

 そして迎えた10月25日の夜。ちゃんこ店での1次会を終えた力士ら一行は、2次会に向かった。白鵬は9月の錦糸町での出来事を口にし、貴ノ岩の態度を叱った。先輩力士への口の利き方などをあらためるように言い聞かせた。だが、貴ノ岩は話の最中にテーブルの下でスマートフォンを操作。これを見た日馬富士が「お前、大横綱が話してる時に何してんだ」と頭をたたいたが、反抗的な態度をとったため、さらなる暴行につながったという。

 捜査関係者によれば、日馬富士は聴取に対し、暴行を認めた上で「ビール瓶では殴っていない」とし、止めに入った照ノ富士もたたいたと説明したという。飲食店には3横綱、照ノ富士、貴ノ岩、石浦のほか地元関係者らが同席。ビール瓶については一部出席者による証言の食い違いもある。

 貴ノ岩は負傷したが、診断書によれば本場所前に相撲を取れる状態だったとされている。なぜ休場したのか、鳥取県警に被害届を提出しながら、貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(元横綱)は日本相撲協会からの聴取になぜ説明しなかったのか。まだまだ疑問は残るが、暴行に至るまでの全容は判明してきた。

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  • 貴ノ岩の経過
  • 場所入りする貴乃花親方(撮影・岡本肇)