東幕下3枚目錦富士(24=伊勢ケ浜)が5番相撲で勝ち越しを決め、来場所の新十両昇進に前進した。三役経験を持つ西幕下4枚目常幸龍を上手出し投げで下して4勝1敗。少し押し込まれたが、右上手を取って相手を転がした。

兄弟子で現役時代は付け人を務めた、部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)の存在が励みだ。

「自分も膝のけがなど数々抱えてきて、安治川親方もけがと付き合いながら現役を全うした。勇気をもらっている」

この日も取組前に、4番相撲で初黒星を喫した相撲が後手に回っていたと指摘され「しっかり当たってから四つになることを意識した」と話す。

同期の十両翠富士と切磋琢磨(せっさたくま)して幕下上位まで番付を上げたが、昨年秋場所で左肘を負傷し、同年九州場所は全休するなど幕下下位まで番付を落としていた。

「靱帯(じんたい)が切れただけでなく、筋肉からはがれて手術しないと腕に力が入らなかったので休場した。(稽古では今でも)痛くて途中で抜けて、ということもある。いろんな方に声をかけていただいて、それが自分の支えになった」

近大を中退して入門から約4年。伊勢ケ浜部屋のホープが、関取の座を射程圏にとらえた。【佐藤礼征】