日本相撲協会は30日、大相撲11月場所(8日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、宇良(28=木瀬)が18年初場所以来16場所ぶりの再十両を果たした。

報道陣の電話取材に応じた宇良は「居反りも使っていきたい。封印はしてません。バンバン出しますよ」と意気込んだ。

業師で注目を浴び、幕内上位だった17年秋場所で右膝十字靱帯(じんたい)と左膝半月板を損傷。翌九州場所から5場所連続全休により、番付を三段目まで落とした18年秋場所で復帰。同年九州場所で三段目優勝を果たしたが、19年初場所で再び右膝を負傷した。翌春場所からの4場所連続全休により、次は序二段まで番付を落とした同年九州場所で復帰し、念願の十両復帰を果たした。

度重なるケガもつらかったが「自分はもう2度と上がれないかもしれないという気持ちの中で、応援してくれる方が『時間がたてば上がれる』と言ってくれたけど、自分の不安と周囲の期待にギャップがあったのがつらかった」と、精神的なつらさも大きかった。それでも、関取復帰を目指してリハビリに励んだ。

考え方も変わった。1度目にケガした際は「体重を増やして2度とケガしないように心がけた」といい、慎重に相撲を取る自分がいた。しかし、2度目のケガで「自分の相撲を取りきることに徹した。その方が動けたし、それでケガしたらそれでいいやという気持ちになった」と吹っ切れた。周囲からは土俵際で粘るのを止められるというが「際になると勝負事だから簡単に(土俵を)割ることはできない。粘れる限り、粘ろうと思います。年齢的にも捨て身にならないとダメかな」と話した。

象徴的なピンク色の締め込みや、化粧まわしは、しっかりと保管しているという。待望の十両の土俵に向けて「元気な相撲を取りたい。とりあえずは勝ち越しですね。勝ち越しだけ考えていきます」と意気込んだ。