大関経験者で西前頭2枚目の朝乃山(29=高砂)が、連勝で4勝4敗と星を五分に戻した。

先場所初日に敗れていた前頭明生を寄り切って雪辱。前日7日目は、負ければ自己ワーストに並ぶ5連敗となっていたが、前頭阿炎を破って2日目の琴ノ若戦以来、5日ぶりの白星を挙げていた。

けんか四つの明生に「先場所、先々場所と、もろ差しを許していたので」と、立ち合いは右を固めて相手の差し手を封じた。同時に左は抱えて、身動きを取らせずに前に出ると、流れの中で右をねじ込んで寄り切った。「右を差し勝って、途中から下手も取れた。圧力をかけながら足を出せた」と、好内容の取組にうなずいた。ただ「ホッとしてはいない。明日(9日目)に向けて準備したい」と、喜びもそこそこに、まずは白星先行へと切り替えていた。

前日は阿炎の突っ張りに上体をのけぞらせたが、構わず前に出続けて完勝した。「相手は、はたきもあるけど、怖がっていたら足も出ない。怖がらずに前に攻められた。圧力をかければ引いてくれると思っていたし、狙い通りではないけど、押し込んで、相手が逃げた方向にも対応できたのでよかった」と、攻めの姿勢を崩さなかったことを勝因と分析。うなずいていた。

6日目から「闘虎」の文字とトラのイラスト、富山商高時代の相撲部監督だった、故人の浦山英樹さんの名前が入った化粧まわしを着けて土俵入りに臨んでいる。新型コロナウイルスのガイドライン違反で、6場所の出場停止で三段目から再起後、この化粧まわしを着けたのは、今場所6日目が初めて。7日目の取組後は「(浦山)先生の名前が入った化粧まわしを着けるからには、勝ちたい思いがあった」と語っていた。ちょうどプロ野球の阪神が優勝した翌日から着けて土俵入りしていたが、本人は「(阪神優勝とは)関係ないです」と笑って話していた。ただ、今、最も強さを象徴するともいえる、トラのイラストが入った化粧まわしを力に、連敗を脱出した格好だ。

前日の取組後も「ホッとしてはいない」と話した後に「白星を先行させたい。明日(8日目)から、また勝負です」と続けていた。その8日目も勝って連勝。9日目からは白星先行を目指しつつ、さらには目標とする2桁白星に向けて再加速するつもりだ。