「鉄人」が、ついに歴代1位の大記録に並んだ。現役関取最年長で東前頭10枚目の玉鷲(39=片男波)が、初土俵からの通算連続出場を、元関脇青葉城に並ぶ歴代1位の1630回に伸ばした。04年初場所の前相撲で初土俵を踏み、翌春場所で番付に初めてしこ名が載ってから20年半。休まず出場し続けて打ち立てた金字塔に、土俵入りから万雷の拍手で迎えられた。前頭佐田の海にはたき込まれ、初日から2連敗となったが、11月には40歳になる今も全力で戦い続けている。
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玉鷲の師匠・片男波親方(52=元関脇玉春日)は、愛弟子の偉業を“こっそり”と祝福した。
現在の所属力士は4人と小所帯。その部屋頭である玉鷲には、あえて厳しく接している。「彼の場合はほめると駄目。安心してしまうから」。常に刺激を与え、目標を持たせる。そんなふうに指導法を変えたところ、19年初場所で初優勝。34歳にして初めて頂点にたどり着き、22年秋に2度目の優勝を遂げた。「普通なら20代が一番強いけれど、彼の場合は30歳を過ぎてから強くなった。不思議な感じ。本人も相撲を分かってきたのかな」とほほ笑む。
ベテランになっても毎場所土俵に立ち続けられるのは体調管理ができているからこそ。「体のケアには気を使わせている。もともと頑丈で、何かあっても寝たら治っていたけれど、やっぱり年を重ねると回復は遅くなるので」。けがを予防するには過度に体を冷やさないことが肝要。エアコンによる冷えすぎを防ぐためにも、夏も長袖を着用するなどの助言を送ってきた。
そうしてたどり着いた大記録。記念の場所を東前頭10枚目の地位で迎えた弟子に「幕内のこの番付にいることが立派」と実感を込める。金字塔を打ち立てても、直接ねぎらうつもりはない。「まだほめられない。うるさい存在がいないと、気が抜けちゃうから」。愛情あふれる口ぶりで、うれしそうに話した。【奥岡幹浩】

