突き押しで白星を重ねてきた金峰山(27=木瀬)が、霧島に右を差された。さらに上手も取られ「ちょっと焦った」。理想の流れではなかったが、どっしり構えて勝機を探る。相手の外掛けや上手投げにも動じず耐えた。大関経験を持つ実力者に対し、最後は右からのすくい投げで撃破。豪快に投げ捨てた。「投げるのだったら、思い切ってやろうと思った」。一時期は四つ相撲に取り組んだ経験を生かし、唯一の2敗をキープ。初優勝に王手をかけた。

優勝争いが大詰めを迎えても、緊張感は「ない」ときっぱり。取組後にコメントを求める報道陣の数は増える一方だが、序盤と変わらず、流ちょうな日本語で悠然と応じる。1場所15日制が定着した49年夏場所以降、平幕力士が単独トップに立って千秋楽を迎えたケースは過去26回。そのうち23回が優勝しており、88・5%の高確率だ(14日目までの優勝決定含む)。

先場所は十両優勝。幕内との2場所連続優勝となれば、1914年夏場所の両国、昨年春場所の尊富士に続き111年間で3人目の快挙。さらに再入幕場所での優勝も20年初場所の徳勝龍、同年名古屋場所の照ノ富士に続き3人目となる。注目の千秋楽の相手は1差の王鵬。「あと1日、自分の相撲を取りたい」。カザフスタン出身力士初の賜杯は目の前だ。【奥岡幹浩】

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