名古屋場所が、新会場IGアリーナで始まった。本場所の会場変更は1985年初場所で蔵前から両国に移転した国技館以来40年ぶり。初日は、こけら落としのイベントにもなった。最新設備の巨大アリーナは、力士たちの目にはどう映ったか-。
◇ ◇ ◇
アリーナの天井までは、世界トップレベルの30メートルもある。収容人数は最大1万7000人だが、大相撲開催時は約7800人とした。とにかく広い。力士ら関係者からは「巡業みたい」の声が相次いだ。40歳の最年長関取、玉鷲は「巡業の感覚になっちゃうから、周りを見ずに土俵だけを見ていました」と、集中することの難しさを口にした。
新入幕の草野は「不慣れです。天井が高くて、満員御礼(の垂れ幕)がずっと揺れていた。上が空いていて、少し違和感がありました。そのわりに暑い」と指摘した。会場が広いため、支度部屋から土俵までが遠い。草野は白星発進したが、雰囲気に慣れることも大事なポイントになる。
支度部屋は、東西とも幕内と十両に分かれた。横綱豊昇龍は「この支度部屋、クーラーついてます? 扇風機を付けて欲しい」と要望。阿炎は「暑かったので、(設定温度を)下げようとしたら20度までしか下がらなかった。実際に試しました」と明かした。
支度部屋に隣接する風呂場は「広くてきれい」と好評。トイレは、通常は男女兼用バリアフリーの個室2つが支度部屋と風呂場の導線にある。会場内に複数あることも、力士たちにとっては好都合だ。
若元春は「会場が変わるのは珍しいこと。相撲の歴史を見てもあまりない。そういう場所に関取として臨めて、時代の変わり目を見られるのは感慨深いです」と歓迎していた。【佐々木一郎】
◆IGアリーナ 名古屋市に新設された多目的アリーナ。愛知国際アリーナの命名権を英国の金融会社「IGグループ」が取得し、10年間は「IGアリーナ」となる。メインアリーナの広さは4600平方メートル。立ち見を含めると最大1万7000人収容可能。建築家の隈研吾氏がデザインした。最寄り駅は市営地下鉄名城公園駅。
◆IGアリーナの「初」アラカルト
▽初の触れ太鼓 呼び出しの仁と天琉が担当した。
▽会場一番乗り 名古屋市の歯科医・鈴木学さん。12日午後9時前から並び、寝袋持参で夜を明かした。
▽初不戦勝、不戦敗 序二段の大國山が休場して不戦敗。対戦相手の輝の里が不戦勝。
▽初物言い 序ノ口の千代天照―宇瑠寅戦。行司の式守風之助は千代天照に軍配も、物言いがついた。審判団の協議の結果、行司軍配通り。
▽初差し違え 序二段の若神-康誠戦。式守鬼三郎は康誠に軍配を上げたが、物言いが付いた。審判団の協議の末、差し違えになった。
▽初懸賞 幕内最初の取組で勝った獅司が2本を獲得した。
▽初NHKインタビュールーム 草野が藤ノ川との新入幕対決を制して、インタビュールームに呼ばれた。

