先週、怪優ぶりをお伝えしたピエール瀧(48)だが、その役作りは繊細だ。

 今春、横山秀夫原作の「64」で、NHKドラマ初主演したときには、カラーマーカーを使って脚本に工夫を凝らしていた。

 「セリフの量が膨大だったこともあって、まずは全体のイメージをつかむことから始めたんですね。自分のセリフは青、共演者は、女性だったら赤やピンクというふうに色分けして」

 本業ミュージシャンだけに「曲作りのようにそうやって全体の構成を認識したら、次は中身のメロディーを、つまりセリフを頭に入れていくわけです」と彼なりの段取りを説明した。

 役者さんのセリフの入れ方にはそれぞれ個性があって興味深いのだが、マーカーつながりで言うと、Sexy Zone中島健人(21)の場合はさらに細分化して、自身のセリフを感情の起伏に沿って色分けしていた。

 「感情が強くなるに従って色を濃く、という感じですね」

 来年2月に公開される「黒崎くんの言いなりになんてならない」(月川翔監督)で、これまで演じてきた役とは180度違う「ドS男子」を演じるのに当たって取り入れた方法だという。別冊フレンドで連載中のマキノ原作ではひたすらクールな主人公が、映画では映像的な効果も意識して「ドS」剥きだしに描かれる。この演出に対応するための中島メソッドというわけだ。

 「BAD BOYS」(13年)「銀の匙」(14年)と、振幅の大きい演技力を見せてきた中島の役作りは、二十歳そこそこにもかかわらず深いのだ。V6岡田准一や生田斗真、ジャニーズ以外では窪田正孝への憧れを口にした。演技力に定評のある人ばかりだ。

 ジャニーズ事務所入りはHey!Say!JUMP山田涼介の「ピュアな笑顔」に憧れて、というが、その山田も公開中の「グラスホッパー」では、殺し屋役で怖いほどのの個性を発揮している。中島のセンサーに引っかかるのは、どこかに「芝居心」を秘めた人ばかりのようだ。

 中島は「脚本をいただくと、まずは表紙にチューしちゃいます。よろしくねっていう感じで」というくらいの映画(ドラマ)好き。今後も「俳優」としての成長が楽しみな人だ。

 ジャニーズが続いてしまうが、風呂場で集中的にセリフを覚えるのはKis-My-Ft2玉森裕太(25)だ。

 「風呂場でふたを半分開けて、その上に脚本置いて読んでいくんです。汗かくと不思議にセリフが頭に入るし、覚えなきゃ出られない、となるとその速度も上がっていくんです」と独特のセリフの入れ方を開陳した。

 ただ覚えるだけではない。役柄設定のさまざまな要素もその際に吟味していく。

 「その人物の背景、くせ…。いろんな要素があるじゃないですか。それを織り交ぜて人物像を考え出すのが好きななんですよね」

 役作りを楽しんでいる印象があった。

 意外なことに21日公開の「レインツリーの国」は映画初主演作。本人は「自分の演技は、あら探しばかりして客観的に見られませんでした」という。が、喜怒哀楽、そして困惑の表情に努力の跡がうかがえる好演だ。

 脚本との向き合い方はそれぞれだが、「読解力」の深さに結果は比例している、と思う。【相原斎】