結婚15年で夫婦生活がすれ違い、離婚話も出ていた夫を突然の事故で失った妻が、15年前の夏にタイムトラベルする。初めて出会った時の若き日の夫と再会し、やはり好きだったと再確認し、事故死してしまう未来を変えようと奔走する。
最高に幸せなプロポーズの瞬間から、互いのささいなことが気に障り、いがみあった先の無関心…事実上、関係性が終わった2人の関係が序盤で描かれる。それが夫の死後、妻は図らずも15年前に戻ってしまい、若き日の夫の姿を見て死なせたくないと動く。現代に戻って夫が亡くなったままだったら、再び過去へ…その繰り返しが描かれる。
過去に戻ることができずとも、顧みることで壊れてしまった大切な人との関係を変えることは不可能ではない。そう思えるのは、興行収入(興収)38億円を記録した21年の映画「花束みたいな恋をした」で、若き男女の別れを描いた坂元裕二氏の脚本の力だろう。おそらくは今回もパソコンに向き合い続け、ひねり出した血肉が通ったセリフを、同氏と初タッグの塚原あゆ子監督による徹底した演出を受けて落とし込んだ、松たか子と松村北斗の芝居は、初共演ながら夫婦そのものの体温を感じる。7日の初日から3日間で興収2・5億円、動員数17・4万人と大ヒットスタートを切ったのも納得だ。
人生の中で関係をやり直したいと思っている人は、1人くらいはいるだろう。そんな顔が脳裏に浮かんだなら、劇場でこの映画を見て欲しい。生き方が変わる人も、きっといるはずだ。【村上幸将】
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