「1箱(50枚入り) 1370円」。4月中旬、大阪の繁華街・ミナミを歩くと、1箱(50枚入り)の使い捨ての不織布マスクは4000円台でしたが、最近では1箱1000円台がザラ。先日、大阪市内の雑貨店の店頭で50枚入りが「2箱で1000円(税込み)」の表示に、思わず「やすっ」。高すぎても手は出ませんが、安すぎると、今度は「大丈夫? 」と不安になります。マスクを扱う業界関係者に「店頭マスク」のチェックポイントを聞いてみました。

大阪市内の小売業者の男性は「最近はかなり少なくなってきたが、品薄のときには耳ひもが外れやすい粗悪品もあった」と指摘します。ドラッグストア以外で購入する際の店選びのポイントとして「店頭にサンプル用のマスクがあり、手に取ってチェックできるかどうか。これは大きなポイントです」。男性の店では、箱の横にサンプルのマスクを置いています。購入後、もし耳ひもが取れた場合、新品のマスクと交換するといいます。

国内で流通するマスクは約7割が中国産とされます。今回のマスクバブルで商店街などで見かけた不織布マスクの大半は中国の業者から直接買い付けたものだそうです。

「店頭マスク」の他のチェックポイントとして「パッケージにある表示を見て、性能についてどのような検査をしたのかを確認したほうがいい」とアドバイスします。

さらにパッケージの「見た目」と値段も要チェックです。「化粧品のパッケージに使われるような立派なケースに入っていても、必ずしもマスクの品質がいいとは限らない」と指摘し、「立派なパッケージ入りマスクは、仕入れ値も高く、店頭に並ぶと、値段も高くなる」。

中国の企業とも取引をする大阪市内の貿易会社によると、コロナ禍で一時、マスク不足が深刻になった中国では、マスクの海外輸出を止め、国内への供給を優先させたといいます。中国の衣料品メーカーなどが生産し、品質検査を行っていないマスクが日本へ輸出されていた時期もあったといいます。

現在は、中国の多くのマスクメーカーが生産を増やし、高騰していた値段が低下しているそう。貿易会社によると「中国ではマスクへの新規参入が相次ぎ、飽和状態になっている。今後、値上がりすることはないのでは」とみています。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)