西島秀俊(44)が15日、主演映画「劇場版 MOZU」(羽住英一郎監督、11月7日公開)の撮影を行った北九州市に凱旋(がいせん)しフィーバーを巻き起こした。平日ながら女性を中心に約1500人が殺到し“モテ男”健在をあらためて証明。北橋健治市長は同市が「MOZU市」になると宣言し、西島も新たな“故郷”の誕生を喜んだ。

 レッドカーペットに降りた西島を「お帰り!!」という黄色い声援が包んだ。北九州市では13年10月から1カ月、TBS系とWOWOWで放送されたドラマ版の撮影を市内30カ所で行い、レッドカーペットが敷かれた百貨店「小倉井筒屋」前では全ての始まりとなった1話の爆弾テロ事件の場面を撮影。今年5月には映画の重要場面も撮影した。“聖地”に集まったファンにはエキストラでがれきの中に横たわった女性もいた。

 西島はファンの元に駆け寄ってサインや握手をし、もみくちゃにされると笑みがこぼれた。「映像の仕事をしていると、交流する機会がない。気持ちを直接伝えたかった。感動した」。北九州空港でエキストラ500人が本気で演技した姿を見た感動を胸に「北九州の皆さんと一緒に作った…そういう経験はない。新作を監督に作っていただきたい」とリクエストした。

 集まった1500人の多くが女性で、10代から高齢者までが西島にくぎ付けだった。若い妊婦は「井筒屋の中にいるんですか?」と警備員に質問。井筒屋の8階の窓から見下ろした女性は「全部好き」とゾッコンだった。昨年11月に結婚を発表した際は、嘆き悲しむ声がネット上にあふれたが、人気に陰りはない。ロケに参加した40代の女性は「西島さんは俳優さん。役として別な人格を生きているのがすてき」と、妥協のない役者としての姿勢が共感を呼ぶと分析した。

 舞台あいさつでは、客席で赤ちゃんが泣き出すと「大丈夫かな?」と優しく語りかけ“父の顔”ものぞかせた。亡き妻と娘の真相を追う自身の役・倉木について聞かれると「彼は真実を追うためだけに生きている。僕はそこまでなりたいとは思わない」と人生観を語った。そして「人生の節目になる。超える作品作りが次のテーマ」と話した。

 西島は、北橋市長が「MOZU市」を宣言し、全面バックアップを約束したことを受け「MOZU市民として認められた。ただいまという感じで北九州に来たい」と、相思相愛を強調した。【村上幸将】

<西島秀俊アラカルト>

 ▼生年月日 1971年(昭46)3月29日、東京都生まれ。

 ▼俳優デビュー 92年のテレビ朝日系ドラマ「はぐれ刑事純情派5」。

 ▼映画デビュー 94年「居酒屋ゆうれい」。

 ▼映画初主演 99年「ニンゲン合格」。

 ▼出世作 北野武監督の02年「DOLLS」で主役に抜てきされ人気に。

 ▼モテ男 10年前後から結婚したい、恋人にしたい俳優ランクで上位常連に。13年NHK大河「八重の桜」で上半身裸の肉体美を披露、女性ファンが急増。

 ▼結婚 14年11月19日、約3年交際した16歳下の元会社員の一般女性と結婚。

 ▼出演作 現在、フジテレビ系「無痛~診える眼~」主演。16年初夏に主演映画「クリーピー」(黒沢清監督)が公開。

 ◆「MOZU」 警視庁公安部の警部・倉木(西島)は娘を亡くした過去を持ち、都心の繁華街での爆発で妻千尋(石田ゆり子)も失った。倉木は妻子の死の真相を追及する中、警察内部の深い闇を知り、それを明らかにすると同時に妻の死の真相も知った。その後、高層ビル爆破とペナム大使館襲撃というテロが同時発生。引き起こした高柳(伊勢谷友介)と殺し屋権藤(松坂桃李)は、日本犯罪史の重大事件を闇で操ってきた「ダルマ」(ビートたけし)の下で犯罪計画を遂行していた。作家逢坂剛氏の小説を原作に、TBSとWOWOWがドラマを共同制作し、昨年放送された。