第2次大戦中、リトアニアでユダヤ人難民たちに日本行きのビザを発給し続け、6000人の命を救ったとされる実在の外交官を描いた映画「杉原千畝」(チェリン・グラック監督)の初日舞台あいさつが5日、都内で行われ、主演の唐沢寿明(52)が杉原氏に命を救われた「スギハラ・サバイバー」と感動の対面を果たした。

 イベントのゲストとして米国在住のシルビア・スモーラーさん(83)が呼び込まれると、唐沢は感激の表情を浮かべた。スモーラーさんは6歳のとき、杉原氏から日本への通過ビザを受け取り、家族で日本を経由して米国に渡ったという。「彼は私の命を救ってくれた。私だけでなく、家族全員の命を救った。重要な存在なんです」。杉原氏については「当時は幼すぎてあまり覚えてない」というものの、杉原氏の妻幸子さんには会った記憶があるという。

 スモーラーさんは昨晩、来日し、作品を見たという。「杉原さんと唐沢さんが、ごちゃごちゃになるぐらい同一人物に思える」と、唐沢の繊細な演技を絶賛した。唐沢も「ありがたいですよね。こうしてお元気でおられるというのは、本当に良かった。あらためて、杉原さんはすごい人だったんだなと思う」と感激。スモーラーさんに自分から握手を求めていた。

 国家の意向に背いてビザを発給し続けたこともあり、杉原氏に関する史料は少ない。グラック監督は「自伝を書いていないというのがヒントになる。胸を張って『やったんだ』という人ではなく、この後どうなったっていいという思いだったと思う。それは当たっていると思う」と推測していた。