ハリウッド女優たちからのセクハラ告発が相次ぎ、集団訴訟を起こされている大物プロデューサーのハーベイ・ワインスタイン氏(65)が、訴訟のうちの一つを棄却するよう、裁判所に求めたという。

 ワインスタイン氏は、「同氏は権力を利用し、女性たちを脅した」と主張する訴訟に対し、反論する書類を裁判所に提出。1994年に同氏にセクハラ被害を受けたと告発したオスカー女優グウィネス・パルトローの例を挙げ、パルトローは同氏がプロデュースした映画「恋に落ちたシェイクスピア」(1998年)でオスカーを受賞するなど、その後も同氏製作の複数の映画に主演し続けており、これは自分が女性たちを威圧していない証拠であると主張しているという。

 訴訟は、同氏が映画のプロジェクトで会ったすべての女優に対し、威圧的だったとするものだが、同氏は、2人のオスカー女優たち、ジェニファー・ローレンスが、「彼は常に、私に優しくしてくれる」とのコメントや、メリル・ストリープが「仕事関係で、私を尊重してくれる」とのコメントに言及し、反論。これらの理由から、訴訟を棄却させたがっているという。

 昨年10月始め以来、アンジェリーナ・ジョリー、ケイト・ベッキンセール、アシュリー・ジャッド、ユマ・サーマンらを始め、50人を超える女性たちが性的虐待あるいはレイプされたとして名乗りをあげているが、ワインスタイン氏は同意に基づく行為だったとして全面否認している。(ニューヨーク=鹿目直子)