俳優水谷豊(66)が23日、神戸市の神戸芸術工科大で監督第2作の映画「轢き逃げ-最高の最悪な日-」(5月10日公開)の試写会後、学生からの質問に直接答える「ティーチイン」を実施した。

ひき逃げ事件をテーマに加害者と被害者家族の心情に迫るサスペンス。会田正裕撮影監督(53)とともに登壇した。

学生から劇中で事故を起こした車をどうやって選んだかの質問について、水谷は「車選びは難しい」と前置きし、「実はあの車は会ちゃんの自家用車だった。たまたま僕のイメージにぴったりだった」と会田撮影監督の愛車だったことを明かした。会田監督は「自分の車が人をひいてしまって悲しかった」と笑顔で話した。

17年公開の映画「TAP-THE LAST SHOW-」で監督デビューを果たした水谷が、今回は初の脚本も担当した完全オリジナルストーリー。学生から社会的なテーマを扱う難しさについて質問されると、水谷は「社会はいきなり社会がそこにあるにではなく、人がいて社会になる。人を描くことが社会を描くことになる」と語りかけた。

同大の学生も美術セットなで作品作りで協力した。最後にモノ作りのプロを目指す学生たちに水谷は「自分の狭い価値観や偏見にとらわれずに、新しいモノをつくってほしい」とエールを送った。