志方が久々に家族と再開「それぞれの断崖」最終回

俳優遠藤憲一(58)主演のフジテレビ系連続ドラマ「それぞれの断崖」(土曜午後11時40分)の最終回が21日、放送される。

遠藤が演じるのはコンピューターメーカーに勤める志方恭一郎。深酒して帰った日に、家庭内暴力をふるう中学2年の息子・恭介が殺された報告を警察から受ける。加害者は13歳の同級生・八巻満(清水大登)で、殺人を犯しても少年法で守られ罪には問われない。悲劇の夜、「被害者の父」は酒に酔い、怪しげな店で遊んでいたことが発覚。妻や娘たちに恨まれ、警察からも疑いをかけられる。加えて、加害者少年へ「絶対に許さない」と怒りを爆発させたことで、世間からの容赦ないバッシングを受ける。職を失い、家族の絆がほころび、やり場のない怒りを抱えた「被害者の父」は、息子の無念を晴らすために「加害者の母」で、はかなげな美しさを持つシングルマザーの八巻はつみ(田中美里)に身分を偽り近づき、やがて禁断の恋に落ちてしまう。作家小杉健治氏の同名小説が原作。

最終回では、少年院を退院後、母・はつみ(田中美里)と暮らし始めた満(清水)。志方(遠藤)は、時々顔を出しては社会復帰のための手助けをしていたが、満は一向に心を開く様子がない。さらに、買い物に出れば、「やっぱコイツだよ」「マジ? 同級生殺しちゃったの?」とネットに流出した写真を見た少年たちに絡まれるなど、心落ち着かない満。わかっていたことだが、やはり世間の目は厳しい…現実を思い知らされる。しかし、志方にいったい何ができるのか。被害者の父が加害者の父になることなどできるのだろうか。

そんな満を三崎海岸の砂浜に連れ出した志方は、はつみと2人を前に口を開く。

「恭介(渡邉蒼)とここに来たことがあるんだ」

「生きていくのはつらいね」と父に本音を吐露したその翌日、恭介は満に殺された。

「もっと生きているうちに息子と本音で話をしたかった…」

後悔を口にする志方。罪悪感で何も言えなかった満。気詰まりな空気を変えようと、はつみは「せっかくだから、みんなで写真撮ろう」と提案。笑顔のはつみ、仏頂面の志方と満。初めての3人の写真だ。

はつみのアパートに刑事の角田(清水伸)が訪ねて来る。14年前に別れたはつみの元夫、満の実の父親が事故死したと言う。最近では、刑務所を出たり入ったりの札付きの男だったので一応調べている、と。

話を聞いた満は動揺する。会ったこともない父だったが、いつかは会えると信じていたのだ。

「父さんが死んだのは悲しいけど、母さんがいればいい。おじさんと暮らすのは嫌だ」

満の目に狂気が宿る。志方と別れるか、あるいは自分と死ぬか。包丁をつかみ、はつみに突きつける。

「覚悟があるのなら、刺しなさい」

はつみがひるまず、にじり寄ると、満は外へ飛び出す。後を追ったはつみは、満に手を振り払われたはずみで階段から転落、頭部を強打し意識不明に陥ってしまう。

その頃、志方は、妻の雪子(田中美佐子)と2人の娘の家族4人で久しぶりに集まっていた。

「来月には式を挙げるから」と志方に結婚式への出席を頼む長女・真弓(仁村紗和)。恭介の事件以来いろいろ考えることがあり「法学部を受けようと思う」と話す次女・真紀(永瀬莉子)をうれしそうに見つめる志方。

少年犯罪が生んだ、残酷で数奇な運命に翻弄(ほんろう)される人々。待ち受ける未来は、希望か絶望か。