ジャズのビッグバンド「原信夫とシャープス&フラッツ」を率いたサックス奏者の原信夫(はら・のぶお、本名塚原信夫=つかはら・のぶお)さんが21日午後9時48分、肺炎による呼吸不全のため都内の病院で死去した。94歳だった。葬儀は近親者のみで行い、後日お別れの会を開く予定。美空ひばりさんの長男で、ひばりプロダクション社長の加藤和也氏がコメントを発表した。

原さんは、ひばりさんの67年の大ヒット曲「真赤な太陽」の作曲を手掛けたほか、バックバンドも務めていた。加藤氏は「原信夫さんのご冥福をを心よりお祈り申し上げます。母が演歌歌謡曲だけではなく、ジャズやポップスにも精力的に取り組むことができたのは、原信夫さんのおかげによるものです」。さらに「バックバンドを務めてくださっていた原信夫とシャープス&フラッツとの最初の名盤『ひばりとシャープ』、そして『ひばりジャズを歌う~ナット・キング・コールをしのんで~』が、母の33回忌である6月24日に復刻されるこのタイミングで訃報に際し、残念でなりません」としのんだ。

「ロックに挑戦したのは、原さんに作曲していただいた『真赤な太陽』でした。晩年、最後にまた原さんの演奏で歌いたいと口にしていた母ですから、きっと天国でセッションしていることだと思います。原さんは私にも厳しく温かいとてもすてきな方でした。心より感謝をお伝えしたいです。ありがとうございました」と悼んだ。