歌手南こうせつ(74)が3日、東京・日比谷野外音楽堂で、31回目となる「南こうせつ グリーンパラダイス」を開催した。日比谷野音100周年記念の一環として開催され、こうせつは「野音には平和と自由がある」と感慨深げ。海援隊や夏川りみも駆けつけ会場を盛り上げた。
日ごろ、アーティスト仲間から「雨男」と言われ続けてきたこうせつだが、この日は青空に恵まれた。しかも、コロナ禍で規制されていた声出しも解除されたとあって、3000人で満席となった会場からは待ってましたとばかりに、ハッピをまとった熱狂的なファンの「こうせつコール」が響き渡った。
公演は「夏の少女」で幕を開け「ギターを鳴らせ」「オハイオの月」と続いた。こうせつは「日比谷野音は僕らにとってはフォーク・ロックの殿堂だった」とし、その上で「ここから歌で世の中を変えていこうという意気込みがあった。とにかくホールとは違って自由な場所だった。『グリーンパラダイス』が31回目を迎えられたことは、僕にとって大きな誇りだと思っている。春の緑の野音という喜びを感じます」。
また、海援隊の武田鉄矢も「どんな大きなホールでコンサートをやったとしても、オレらにとっては野音が一番の花道」と同じく感慨深げだった。
感激に浸る一方、こうせつはロシアによるウクライナへの軍事侵攻には心を痛め「平和」に対しても持論を語った。
「理由はどうであれ、暴力で訴えるのは絶対に許してはならない。我々は第2次世界大戦を体験し、広島と長崎に投下された原爆で『平和になろう』と決意したはず。日本は、これからも戦争をしない国であることを世界にアピールしていくべきだと思う。僕らフォークは平和は大切、戦争は良くないという気持ちで歌ってきた」。
こうせつは、86年から広島の世界平和記念聖堂で、8月6日には「平和祈念ピースコンサート」を開催してきた、いわば「平和コンサート」の先駆者的存在。それだけに19日から広島で開幕するG7サミットには期待を寄せ「何事もアピールしなければ平和の道につながらない」とし、「戦争は嫌だな、核兵器が無くなればいいな、そう思ってくれるだけでいい。思いは必ず共感を呼ぶ。そして自分なりの1歩を踏み出すのだと思っている」と語気を強めた。
広島での平和コンサートは09年まで23年間続けられ、コンサートの収益金は広島原爆養護ホーム「倉掛のぞみ園」の建設に結びついた。完成後、こうせつは毎年訪問し今では顔なじみの人も多い。「毎年、コンサートで頑張ってきた山本コータローさん、大友康平さんと一緒に行ってました。ただ、コータローさんも亡くなってしまいましたからね。しかも、コロナ禍でこの3年ぐらいは行けませんでしたが、今年は大友さんと行きたい」。
公演では、こうせつは「神田川」「妹」「あの人への手紙」などかぐや姫時代のヒット曲はもちろん、「夢一夜」や「満点の星」など13曲を熱唱。また、海援隊は「贈る言葉」、夏川りみは「涙そうそう」などを披露した。



