出会いを大切に生きる。女優中村守里(20)が今、勢いに乗っている。9月29日に青木柚とのダブル主演映画「まなみ100%」(川北ゆめき監督)が公開されるほか、10月5日にはメインキャストとして出演の舞台「フラガール'23」(脚本・演出・羽原大介氏、東京・赤坂RED THEATER)が開演。10月28日には東日本大震災を題材とした主演映画「海鳴りがきこえる」(岩崎孝正監督)の公開も控える。14歳での本格デビューから今年20歳を迎えたばかりの期待の新星がこのほど日刊スポーツの取材に応じ、10代での成長や今後の目標を語った。【松尾幸之介】
「がむしゃらに駆け抜けた」という10代を終えた。中村は「人の縁に恵まれてここまでこれました」と振り返り「人見知りも克服できたかもしれないですね。20歳になって人と話すのが楽しくなりました。厄年も終わりましたし、何かがいなくなったのかスッキリしましたね。社交的になりました」と笑顔をみせた。
10代は映画やドラマをはじめ、アイドル活動や写真集発売なども経験。今年はNHK大河ドラマ「どうする家康」出演も果たした。10代での印象深い作品には映画初出演初主演となった18年の「書くが、まま」と、20年の映画「アルプススタンドのはしの方」を挙げた。
「全部印象に残っていますけど、特にこの2つが転機になったのかなと思います。『アルプス-』は舞台からの映画化で関わった時間も長かったですし、いまだに現場とかでも言われることがあります。その作品で知ってもらえたことが多かったですね。『書くが、まま』は初めてでしたし、主演だったので。緊張よりも『食らいつかなきゃ』と思ってやっていました。必死で暑い夏でしたね」。
20代ではさらなる上積みを誓う。「自信を持ちすぎてもダメだと思っていますし、私は常に追求していたい」と語り「演技って(日常の)全部が仕事に役立つだろうなと思っています。人と話していろんな意見をきいて取り入れるのも勉強だなと思いますし、人間観察とかしちゃいますね。号泣した時に自分の写真とかも撮っちゃいます。こんなに(顔が)ひどいんだって、あとで見返したりして。嫌なことは忘れるタイプなので、何で泣いていたかはもう忘れちゃいましたけど(笑い)」。
ここから映画に舞台とメインキャストを務めた作品の公開が続く。「(作品の)どこの立ち位置にいても目の前のことに集中するというスタンスは変わらないです」と力を込め「『まなみ100%』でのまなみちゃんは“魅力的な女性”という設定だったので、演技じゃない部分で表現しないといけないと思って悩みながら演じました。(器械体操部員役で)バック転を練習していたんですけど、肘をけがしてできなくなって。絶対にできないといけないと思っていたので申し訳ないし悔しくて、家で泣きました。もちろん、その顔も撮りましたよ」。
単独主演の「海鳴りがきこえる」は、災害などを題材とした短編作を多く送り出し、今回初めて長編劇映画のメガホンをとった岩崎孝正監督の作品。震災で家族が離散した過去を持つ元写真家の理子奈役を演じた。
「東日本大震災にあった時、私は小学校1年生でした。撮影前に当時の本を読んだり、映像を見たりして勉強しましたね。(撮影地の)現地で得るものもたくさんありました。現地の方の気持ちを全部はわからないにしろ、私も小さい頃に父親が亡くなっているので。つらかった時期があって、自分だからこそ表現できるものもあるんじゃないかなと思って必死に毎日撮影していました」。
プライベートでも「学ぶことが好き」と通信制の大学進学を決断。時間があれば校舎にも通い、現役女子大生として法律を学んでいる。「不動産の間取りを見ることが好きですし、民法の勉強にもなる」と宅地建物取引士資格の受験も考えている。20歳で飲み会などにも行けるようになり「お酒は結構好きです。一番好きなのはビール。ずっとビールでも全然いけます。打ち上げでもみんなと同じものが飲めるようになったのがうれしいです」と笑った。
守里という名は「自分の周りの人を大切に守っていけるように」と、小学3年時に病死した父がつけた。「母親から聞きました。旅行で行った沖縄で見た首里城からもインスピレーションを受けたみたいです」。芸能界はその父の死を受け「自分も家族のために何かできないか」と飛び込んだ世界。「当時はすごくエネルギーがあって、何か始めたいと思っていました。家族は今は自分の活動を楽しみにしてくれていますし、楽しんでもらえたらなと思っています」。
今後も「たくさんの映画やドラマに出たいです。(NHKの)朝ドラにも出てみたいですね」と意気込む。豪華キャストが集った「どうする家康」の現場では「リハーサルからお芝居や雰囲気に圧倒されましたし、また帰ってきたいなと思いました」と大きな刺激を受けた。「何事も楽しんで、どんな経験も成長の糧にしながらこれからも頑張っていきます」。周囲との縁を大切にしながら、20代も駆け抜けていく。
◆中村守里(なかむら・しゅり)2003年(平15)6月14日、東京都出身。幼少期からバレエや新体操、ダンス、水泳などに励み、小学6年時に新体操で全国大会出場。中学1年時の公開オーディションで芸能プロ複数社の争奪戦の末、太田プロダクション入り。14歳の時に舞台「清らかな水のように~私たちの1945~」で女優デビュー。17年末からラストアイドルファミリーのグループ「Love Cocchi」として活動し、20年末に卒業。女優としては18年の映画初出演初主演作「書くが、まま」ではMOOSIC LAB2018で最優秀女優賞。7月には映画「ヒッチハイク」、8月にも映画「カタオモイ」と出演作が続々公開中。9歳と12歳上の2人の兄を持つ。身長164・5センチ。血液型O。



