★17日、改正皇室典範が参院で可決した。宮内庁は早速対応に追われることになる。宮内庁長官・黒田武一郎は同日「宮内庁としては、その内容に即して皇室の方々の円滑なご活動をお支えするために、お気持ちを十分に踏まえながら、適宜適切に、できる限りの対処をしてまいります」とする談話を発表。16日の会見で長官は女性皇族に対し、結婚後も皇室に残るかどうか「適切なタイミングで意思確認」をし、できるだけ早い時期に結婚後の配偶者や子どもとの生活、養子縁組など「制度の仕組みについて私自身がきちんと説明する機会を持つことが第一」とした。

★神話の世界や今風に言えばファンタジーともいえる「万世一系(男系男子)」を守り切ったともとれる満足感に浸る議員はどの程度いるのか。戦後に培われた皇室の姿をどこまでご存じかと問いたくなるが、欧州には主に12の君主制国家(王室・公室など)が存在する。主な「王国」(王室)は国王(または女王)が君主を務める「王は君臨すれども統治せず」の立憲君主制国家でイギリスの(ウィンザー家)チャールズ3世国王。スペイン(ブルボン家)フェリペ6世国王。オランダ(オラニエ=ナッサウ家)ウィレム・アレクサンダー国王。ベルギー(ザクセン=コーブルク=ゴータ家)フィリップ国王。デンマーク(グリュックスブルク家)フレデリック10世国王。スウェーデン(ベルナドッテ家)カール16世グスタフ国王。ノルウェー(グリュックスブルク家)ハーラル5世国王。

★王位継承は男子に限定してきたのは20世紀までの話。現在は性別を問わず第1子が継ぐ「長子優先」への転換が進んだ。伝統を覆したのは男女平等や安定的な王位継承という当然の視点だ。今後の欧州王室は「プリンセス黄金期」に突入するといえる。日本での皇室の親しみやすさ、開かれた皇室にするための皇族の努力は国民の総意に支えられてきた。まして縁戚に当たる政治家の思惑が大きく働いたといわれるいわくつきの強引な改正は21世紀の所業とは思えぬ時代錯誤を生むだけでなく、皇室の繁栄に影を落とす。立案者たちは言うに及ばす、理屈をつけて賛成した野党の面々を忘れるわけにはいかぬ。(K)※敬称略