★18日、米国のマルコ・ルビオ国務長官は戦争犯罪やジェノサイド(集団殺害)、人道に対する罪などを犯した個人を裁くため、02年に設立された国際刑事裁判所(ICC)所長・赤根智子とセネガル出身の上級法廷弁護士アブドゥライ・セエに制裁を科すと発表。ICC判事18人のほぼ半数を制裁対象に加えた。

★直ちに国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のボルカー・ターク高等弁務官は「米国が科した容認できない新たな制裁は撤回されるべき」「人権と法の支配を維持し守るために設立された機関」を擁護するよう世界に呼び掛けた。ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員会委員長とアントニオ・コスタ大統領(欧州理事会常任議長)も、赤根らを「断固として支持する」「裁判所は外部からの圧力なしに独立して活動できなければならない」と強調した。ドイツ外務省はICCの独立性を「中心的な重要性を持つ」と評価し、フランス外務省報道官は「裁判所に対するあらゆる脅迫や強制措置を非難する」と表明。スペインはICCを「国際刑事司法制度の礎石」と各国は明確に米国の暴挙に強い抗議を表明。

日本でも「人権外交を超党派で考える議員連盟」の共同代表・自民党の前防衛相・中谷元、国民民主党参院議員・舟山康江は「法の支配に対する重大な侵害として、最も強い言葉で非難する」とする緊急声明を出した。また議連は「日米同盟の堅持と法の支配の擁護は二者択一ではない」「法の支配への攻撃に沈黙する同盟は、いずれその基盤である価値を失う」と糾弾した。

★ところが日本政府は重い腰が上がらない。なにしろ3月、ホワイトハウスでの日米首脳会談の冒頭、首相・高市早苗は「世界の繁栄と平和をもたらすことができるのは、あなた、ドナルドだけだと思っている」と述べ、小躍りした人物。「大変残念に思っている。これからも米国を含む関係国と意思疎通を継続しながら対応していく」と逆らう気もやる気もない。非難声明などもってのほかとの思いだろうか。日本はICCへの最大の分担金拠出国で、国際法を守る砦と言える。多くの国で人権が抑圧される中、今から日本が抑圧に加担する意味はあるか。(K)※敬称略