伊藤匠叡王(23)と挑戦者の斎藤慎太郎八段(32)が双方2勝2敗で迎えた、将棋の第11期叡王戦5番勝負最終第5局が31日午前10時、千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」)で始まった。先手後手を決める振り駒は、珍しく立って無効となった2枚を除いて歩が2枚で、伊藤が先手、斎藤が後手と決まった。定刻になって、立会人の森内俊之九段から対局開始が告げられると、盤をじっと見つめた伊藤が飛車先の歩を突いた。対する斎藤もスーッと飛車先の歩を突き、相掛かりへと進行した。
昨年と同じカードとなった今シリーズは、伊藤が連勝してこのままストレートで防衛するかにみえた。そこから斎藤が踏ん張って連勝。2年連続でフルセットとなった。
伊藤は5番勝負の最終第5局でここまで3戦3勝。初めてタイトルを獲得した一昨年の叡王戦で、同学年の藤井聡太8冠を下した。昨年の王座戦でも藤井に勝ち、たて続けにタイトルを奪っている。
28日には、藤井王位への挑戦者を決める王位戦挑戦者決定戦(東京・千駄ケ谷「将棋会館」)で、羽生善治九段を下して初の挑戦権を獲得した。勢いに乗って、3連覇を目指す。
対する斎藤は2018年(平30)に初タイトルとなる王座を獲得した時も、最終第5局までもつれた末にもぎ取った。将棋界で過去5番勝負で2連敗3連勝は12例(王座3、棋聖7、棋王2)。直近では2003年(平15)棋王戦で丸山忠久九段が羽生棋王(当時)に勝って奪取している。それ以来の大逆転劇が期待される。
持ち時間は各4時間。午後0時30分から1時間の昼食休憩がある。午前10時30分と午後3時には、主催の不二家からおやつが出される。決着は31日夜の見込み。

