「女性初の棋士誕生、素晴らしい快挙で本当におめでとうございます。西山さんには、これからも純粋な気持ちを大切に、上を向いて頑張ってほしいと心から応援しています」。女流棋士第1号の蛸島彰子女流六段(80)が、大きな歴史の転換点にお祝いのコメントを寄せた。

2020年3月、西山が棋士への切符に手を掛けた第66回奨励会三段リーグの最終局。結果が気になって、東京・千駄ケ谷の旧将棋会館までわざわざやってきた。「私、もう居ても立ってもいられなくて。悲願ですから。生きているうちにこの目で見届けたいじゃないですか」。自然と足が向いていた。

1974年(昭49)に女流名人戦が創設されて、女流棋戦の歴史は始まった。「女性に将棋を楽しんでもらいたい」という、元日本将棋連盟会長を務めた故大山康晴15世名人の願いから実現した。

以来52年。「長かったような短かったような」と振り返る。第1号として普及にも尽力しながら、とびきりの笑顔で迎え入れた後進も育成した。盤に向かってはレベルアップや強化を目指し、第2世代とも言うべき林葉直子さん(引退)や中井広恵女流六段、日本将棋連盟の会長でもある清水市代女流七段と渡り合い、時に厳しく立ちはだかった。

結果的に女流棋界は世代交代が進み、昭和55年(1980年)生まれの矢内理絵子女流五段、千葉涼子四段、石橋幸緒さん(引退)らに引き継がれた。今はそれより一回り下の福間香奈女流5冠や西山らの世代が主力となっている。「ようやく1つの形になったと思います。西山さんは実力的に男性棋士と互角にやれると思います。次のステージでの活躍を期待します」。今後も発展を見届け続ける。