3日午後4時50分ごろ、東京都中央区の築地場外市場内で、3階建て建物から出火したと東京消防庁に通報があった。同庁によると、8棟、計約800平方メートルが延焼、消防車など60隊以上で消火活動に当たった。けが人や逃げ遅れた人の情報はない。消防隊員1人が体調不良を訴え、熱中症の疑いがあるという。

 東京消防庁によると、延焼した8棟のうち4棟は店舗で、いずれも営業時間外だった。

 現場では出火直後に黒煙が上がった。消火活動が進むとともに煙の色は白くなっていった。場外市場関係者の70代女性は「建物が古くて密集しているので怖かった。昨年暮れの新潟県糸魚川市の大火を思い出した」と心配そう。飲食店の従業員男性は「私たちも火を扱っているし、気を付けないと」と話した。

 近くにある築地本願寺の境内でこの日予定されていた「納涼盆おどり大会」は、火事のため中止となった。築地では、15年6月にも市場内の食品加工会社で木造2階建ての2階部分が焼ける火事が起きている。

 築地場外市場は築地市場と隣接し、すし店や海産物を扱う食料品店など計約400店がひしめき合う。近年は外国人観光客にも人気となっている。