希望の党の小池百合子代表(65=東京都知事)は14日、党代表を電撃辞任した。

 衆院選の敗北などを受けた事実上の引責辞任とみられ、国会議員団の新執行部発足に合わせて表明。「創業者の責任をひとつ終えた」と説明した。国政と都政の「二足のわらじ」を続けて来たが、市場移転など都政の課題は、ますます深刻に。その都政では、知事与党だった都議会公明が、小池氏の態度に業を煮やし「是々非々」路線への転換を表明した。小池氏は、まい進するはずの都政でも、追い詰められつつある。

 党創業から2カ月もたたない14日、小池氏が「党の顔」から撤退した。「国政は皆さんにお任せしたい。私は代表を降り、皆さんをサポートしたい」。両院議員総会で、あっさり了承された。共同代表から代表となり、「緊張しています」と述べる玉木雄一郎代表(48)の横で、「よちよち歩きだが、この党はフレッシュでなければならない。これからが勝負です」と訴えた。

 玉木氏ら幹部も直前に伝えられた電撃辞任。小池氏は「新体制の船出で、創業者の責任をひとつ終えた。(今が)バトンタッチのタイミングだと思った」と述べた。引責辞任の時期をはかっていたようだが、「小池代表」体制で、約1000万の比例票を集めたのも事実。「投げだし辞任」に、党内では「無責任」の批判があるほか、玉木氏を共同代表から代表に格上げした手法にも「ブラックボックス」の批判が出ている。

 13日開票の葛飾区議選で、特別顧問を務める都民ファーストの会が1勝4敗と惨敗した責任論も取りざたされる。小池氏は「区議選は関係ない」と否定したが、すっかり冷めた「小池ブーム」の現実が、判断に影響した可能性もある。

 安倍晋三首相の衆院解散方針で、9月25日、「国政に積極的に関与したい」と、自ら希望の党を設立。政権交代への思いも秘めていたが、「戦略は成功でも、排除発言で戦術を誤った」(関係者)。「二足のわらじ」という中途半端な戦いで、衆院選後は国政と一線を画す発言が目立った。

 周囲は以前から、都政専念を進言。築地市場の豊洲移転時期も未定で、20年東京五輪・パラリンピックの準備も順調といえず、小池氏も選挙後、「都政にまい進」を強調した。しかし、一瞬でも国政に色気をみせた小池氏に、知事与党の都議会公明党は連携見直しへ方針を転換。小池氏系勢力は過半数を割り、都政運営が厳しくなるのは確実だ。都民ファーストの会でも動揺が広がる恐れがあり、「二兎(にと)を追う者一兎を得ず」に陥りつつある。

 それでも、大好きな「希望」という言葉を冠した政党の代表辞任に、小池氏は未練もにじませた。「思いを込めてつくった政党だ。アイデアを出したいし、(特区など)国政の政策にもリクエストを出したい」。玉木氏は特別代表などの肩書を用意する意向だが、「院政」の行方は不透明だ。政治家生活25年。小池氏は大ピンチの今、力量を試されている。【中山知子】