警視庁竹の塚署は14日までに、東京都足立区の小学校で成人用の長靴を盗んだとして、窃盗と建造物侵入の疑いで足立区の無職神尾寛幸容疑者（53）を再逮捕した。

再逮捕容疑は、昨年10月24日午後3時半～同4時ごろ、足立区立小の敷地にフェンスを越えて侵入し、外に干してあった長靴2足（時価約2千円）を盗んだ疑い。同容疑者は取り調べに「私がやったことに間違いありません。人の履いた長靴のにおいがかぎたくて盗みました」と容疑を認めている。

神尾容疑者は3月、足立区内の精肉所からゴム長靴を盗んだとして窃盗容疑などで逮捕され、その後、起訴されていた。目出し帽をかぶるなどして、防犯カメラに顔が映らないようにした上、「精肉会社の人間だ」などとウソをついていたという。

自宅からは長靴271足、ゴム手袋17双、ゴムエプロン7枚が押収された。同容疑者は「働く男の臭いが好きだ」と供述していたが、女性ものも盗んでいたという。長靴、ゴム手袋、ゴムエプロンはいずれも白で、他の色のものは一切盗んでいなかった。

押収された犯行メモには、長靴352足、ゴム手袋30双、ゴムエプロン14枚を盗んだと記されていた。押収した数と合わないため、理由を追及すると、同容疑者は「臭いがしなくなったら、捨てました」と供述。盗んだ長靴、ゴム手袋、ゴムエプロンは、においを保つためにポリ袋に入れて保管していたという。

神尾容疑者は、足立区の42カ所、葛飾区の12カ所で盗みを働いていた。うち、小学校21校、中学校16校、工場やスーパー、すし屋などの店舗15カ所、老人ホームと病院それぞれ1カ所に侵入していたが、子供のものは一切、盗まず、大人もののみ盗んでいたという。捜査関係者によると、神尾容疑者は大人の着用した白い長靴、ゴム手袋、ゴムエプロンに、性的興奮を催していたとみられる。

神尾容疑者は盗みを始めた時期について「東日本大震災の頃から始めました。ゴムのにおいがして、つられて盗んだ」と供述する一方で「小学校の時からゴムのにおいに興味を持っていた」などと、つじつまが合わない供述をしたという。【村上幸将】