五輪マラソンが札幌開催となった場合のチケットの払い戻し時期が来春になる可能性があることが30日、大会関係者への取材で分かった。特に女子マラソンのチケットが複雑で陸上6種目、3つの表彰式が見られるもの。その内、女子マラソン分だけを返金するような複雑なシステムが現時点で整備されてないためだ。

組織委には、延期になっている五輪チケット販売の2次抽選や、パラの2次抽選なども控えていることから、返金作業を公式転売サイトがオープンする来春に合わせたい考えがある。遅くても年内に五輪チケット2次抽選が実施できないと、その後のスケジュールが予定通り実行できないからだ。

一方で、返金を早く済ませたい購入者もいるため悩ましい選択に迫られている。購入者の声次第では、可能性は低いがインターネットを介さない「アナログ」での返金作業も検討しなければならないという。

札幌開催の場合、コースは同市中心部にある大通公園を発着とする案が最有力。その場合、大規模な観客席を設置するスペースがないことから、観客席は設けず、チケットも販売しない方向。ただし、女子マラソンのチケット購入者には他種目を見たい希望者も大勢いるとみられることから、マラソン以外の権利は保持させる方針。

その他にも選手や関係者の輸送、宿泊、警備など問題が新たに発生する。北海道マラソンの下地があるとはいえ、コース設定は新たに行う必要があり、雪が降る季節が来る前に実施しなければならない。課題は数えればきりがない。