将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が初のタイトル挑戦権獲得に向け、好スタートを切った。

木村一基王位(46)への挑戦権を争う、第61期王位戦挑戦者決定リーグ戦白組1回戦の羽生善治九段(49)戦が18日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われ、藤井が勝利した。初登場の挑決リーグを白星で飾った。

過去、18年2月の朝日杯準決勝、昨年10月の王将戦挑決リーグと羽生には2戦2勝。今回も巧みな指し回しを見せた。「羽生さんに勝てたのはうれしい」と、喜びをかみしめた。

先週11日には第13回朝日杯オープン戦準決勝で千田翔太七段(25)に敗れ、同棋戦の3連覇を阻まれた。「あれでかえってサッパリしたのではないでしょうか。リーグ初戦で大スターに勝って、意気上がると思いますよ」。「ひふみん」こと、加藤一二三・九段(80)はこう評した。

王位リーグは紅白各組6人の総当たり。両組の成績最上位者同士で、挑戦者決定戦を行う。「1局1局集中して頑張りたい」。

7月19日に18歳を迎えるまで、藤井に挑戦権獲得の可能性があるのは王位戦と棋聖戦。進行状況により、屋敷伸之現九段(48)が持つ17歳10カ月の史上最年少記録を上回る可能性もある。