新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が解除された大阪、京都、兵庫の近畿3府県では、23日午前0時から休業要請が大幅に解除された。解除初日、大阪のなんばや日本橋などの繁華街は人通りも多く、感染の第2波への懸念を抱きながらも活気が戻ってきた。人気たこ焼き店「くれおーる道頓堀店」では、新しい生活様式に合わせた「ソーシャルディスタンス『ひとり』タコパ」がスタートした。

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大阪市中央区の繁華街、道頓堀では、午前中は人通りがほとんどなかったが、午後になると多くの人の姿があった。戎橋筋商店街を歩いていた女性2人は「密ですね」「めっちゃ暑い」と話した。心斎橋筋商店街では、衣料品店に行列ができていた。

日本3大電気街のひとつ、日本橋も人通りは多く、子ども連れや外国人の姿もあった。ビラ配りをしていたメイドカフェ勤務の女性は「人がかえってきている! 久々にこんなに人が通ってるの見た」と驚いた様子。店ではアルコール消毒などコロナウイルス対策をして接客しているといい「コロナは怖いけど、お客さんが来てくれたらうれしい」と話した。パソコン製品を扱う店では入り口で検温とアルコール消毒が行われていた。40代の男性店員は「先週よりはかなり人が増えた。でも怖さはあるんじゃないかな」とした。

31日まで公演中止となっている、なんばグランド花月(NGK)周辺は人通りはまばらだった。NGK前の「吉本キャラクター人形焼カステラ本店」は23日から営業を再開。店員は「人通りはまばらですね」。通行人に配布する試食のカステラは袋に入れられており「むき出しだと抵抗があるので、しばらくは対策として」と語った。一方で、NGKの警備員男性は「土曜だし、休業要請解除前よりは、ちょっと人が多い」と話した。周辺のパチンコ店には「コロナに打ち勝つ!」と書かれた看板が置かれていた。

北区の天神橋筋商店街で、持ち帰り商品を販売していた女性は「先週よりは人は増えた」としたが、通常の土曜日と比べると「全然少ない」と、感染の第2波の懸念を抱きつつも、完全に人の流れが戻らないことを嘆いた。【星名希実】