安倍内閣の防衛相から菅内閣の行政改革や規制改革の担当相に就任した河野太郎氏(57)が、就任直後から存在感を示した。17日未明の新閣僚会見では、深夜に及ぶ運営を「前例主義。こんなものはさっさとやめたらいい」とバッサリ。菅義偉首相肝いりの「あしき前例主義打破」の象徴で起用されたキーマン。同じ首相指令の「縦割り110番」は、さっそく自身のSNSに開設した。次世代リーダー筆頭格の河野氏。注目を集める言動は、菅政権の浮沈も左右しそうだ。

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この人は懐が深くてホント優しい人だな。顔はいかついけど…。

初対面の河野行革相の第一印象です。20年以上も前の99年10月。小渕第2次改造内閣で父河野洋平さんが外務相に就任。その組閣名簿で、既にお亡くなりになっていた奥さまを存命のように記事にしてしまい、翌日訂正記事を掲載しました。

ご本人にも謝罪しないといけないな。でも、ちょっと大臣は敷居が高いなと考えて思いついたのが、新人議員だった太郎氏のもとに向かうこと。アポもなくいきなりの訪問でしたが、謝罪をする記者に「オヤジも悪いんですよ。早く再婚をすればいいのにね」。これで気持ちがすっと楽になりました。

間違えたのは同僚でしたが、謝罪をきっかけに人脈を築きたいという思いもあり会社代表みたいな顔で向かった記者に「また来てよ」とも。以来、毎日のように通いました。「これからは中国の時代が来る」と、中国語を猛勉強していた姿も忘れられません。【文化社会部次長 松本久】