ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領の精神状態を懸念する声が世界各国で上がっている中、ある看護師の男性がSNSに投稿した動画が話題になっている。

ニューズウィークリー誌が、マッスルズ・アンド・ナーシングの名で知られるユーザーがTikTokでプーチン大統領が男性に歩み寄って握手する動画を検証し、パーキンソン病の疑いがあると推察している投稿を取り上げて紹介している。男性は「この動画を見れば、私たちが恐れる理由が分かる」と述べ、その言動から精神面の不安定さが指摘されるプーチン大統領が核のボタンを持っていることは危険だと語っている。

プーチン大統領のパーキンソン病説を巡っては、2020年に英サン紙が「脚が絶え間なく動き、ペンを持つ指もけいれんしているように見える」と映像を見た専門家の分析として報じたことがあるが、当時はロシアのメディアがこの報道を否定していた。

動画を投稿した男性も、右手を胸のあたりに置いたまま足を少し引きずるように歩くプーチン大統領の動画を紹介し、自分は看護師なので診断はできないとしながらも「パーキンソン病と脳卒中の症状は見ればわかる」とコメント。プーチン大統領が右脚を地面から持ち上げた時のけいれんの仕方について言及し、「脳卒中に伴う血管性認知症を患っている可能性がある」と述べている。この投稿は9日時点で230万回再生されており、男性の推察を支持する医療関係者らのコメントが多数寄せられている。

血管性認知症または多発梗塞性認知症は、初期段階では推論と判断力で認知障害を引き起こすことが知られており、後期段階では記憶力が低下すると言われている。

核使用をちらつかせて暴走するプーチン大統領を巡っては、米議員の間でも精神状態を疑問視する声が相次いでおり、ワシントン・ポスト紙や英メディアも情報機関が「妄想に陥り、追い詰められると暴発する危険性のある」と危惧していることを伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)