安倍晋三元首相は11日夜、都内のホテルで行われた自民党の片山さつき参院議員のパーティーで講演し、ロシアによるウクライナ侵攻について、ロシアという国の名前に触れずに、その振る舞いをただした。

ロシアのウクライナ侵攻を「本当に衝撃的な出来事だ」とした上で「あのように、国際法を踏みにじって堂々と他国を侵略し、残虐な行為を続ける国が世界には存在する。そしてその国は(国連)安保理の常任理事国だということ」と述べた上で、深刻な事態であるとの認識を示した。

安倍氏は首相時代、ロシアのプーチン大統領と首脳会談を重ね、関係の近さが指摘されてきたが、この日はロシアの国名同様に、プーチン氏の名前にも触れることはなかった。

一方、プーチン氏と同様に親密な関係を築いた米国のトランプ前大統領とのエピソードは、冗舌に語った。在任中に4回行った「ゴルフ会談」に言及した際には「ゴルフは3~4時間できるが、その間、大統領の時間を独占できる。いろんな話ができるし、世界中(の指導者)が(日米両首脳の様子を)見ている」と、意義を説明。「私はゴルフが好きなのではなくて、(安全保障上の)抑止力のためにやっている」などと述べた。