1912年に北大西洋に沈没し、海底に横たわる豪華客船タイタニック号を見に行く観光ツアー中に消息を絶った潜水艇「タイタン号」は、内部の酸素がなくなるとみられる22日朝(日本時間同日夜)を過ぎた。複数の船舶や海中探査機が追加投入され、懸命の捜索は続いており、酸素残量との戦いにもなっている。米CNNなどが報じた。

タイタン号は潜行から5人で4日分(96時間)の酸素を積んでいるとされる。タイタン号が出発したニューファンドランド島の現地時間で18日朝(日本時間18日夕方)ごろから酸素の消費が始まっているとされ、96時間後は22日朝(日本時間同日夜)がタイムリミットとされている。

タイタン号が消息を絶ったのは北大西洋のニューファンドランド島(カナダ)の南東約640キロの海域。タイタニック号は水深約3800メートルの海底に横たわっている。タイタン号を所有するオーシャンゲート・エクスペディションズ社のホームページなどによると、4000メートルの深海まで潜航した実績があるとしている。

酸素の他、深海の低温も問題になっている可能性がある。海底近くの温度は10度以下の低温になっている可能性があり、元米海軍大佐の男性はCNNの取材に、「潜水艇の内部には霜が降りている可能性があり、体を寄せ合って体温を維持しなければならないだろう」と語っている。