兵庫・神戸市の長峰中学校で12日、グラウンドの砂場にイノシシの頭部2つがあるのが見つかった事件で、頭部は地元猟友会が駆除、埋葬したもので、他の動物が掘り起こして運んだ可能性が高いことが捜査関係者への取材で分かった。

兵庫県警灘署によると、頭部はいずれもイノシシの子で刃物で切断された跡があった。現場付近に胴体や血の跡はなく、刃物も見つからなかった。

捜査関係者が防犯カメラのチェックや聞き込みを行ったところ、地元猟友会が11日に親イノシシ1頭と子イノシシ3頭を駆除し、中学校から約450メートルの霊園付近に解体して埋めていたことが判明。確認すると、子イノシシ2頭の頭部が掘り返されてなくなっており、切断面が一致したという。

そうなると気になるのは「誰が掘り起こし、誰が学校まで運んだのか」だ。

中学校は高いフェンスと崖に囲まれており、捜査関係者は「学校の防犯カメラには中に侵入する人の姿はなく、写らない場所からの侵入も可能性はないだろう」と推定。霊園周辺はタヌキやキツネ、ハクビシンなど動物のエサ場になっており、「動物が掘り起こして運んだ可能性が高い」とみて捜査を続けている。

一方で、ある獣医師は「掘り起こすだけなら、ほかのイノシシや野犬、タヌキも考えられますが、血の臭いがして食べるなら掘り起こしたその場でやると思う。わざわざ運ぶとなると、普通に考えたら人間のしわざ」と動物が運んだとの見方に疑問符をつけた。捜査関係者によると、2つの頭にかんだような跡は「ぱっと見たところでは、なかった」という。【阪口孝志】