将棋の第81期名人戦で渡辺明名人(当時=39)を4勝1敗で下して、20歳10カ月の史上最年少で獲得した藤井聡太名人(21)の就位式が7日、都内で行われた。6月に日本将棋連盟の会長に就任した羽生善治氏(52)が推戴状を贈った。

藤井は謝辞で、タイトル戦の中で持ち時間が最長の名人戦について「これまで以上に深く読むことができた取り組みがあった一方で、考えてもなかなか判断が付かないことも多く、将棋の難しさ、また奥深さを再認識させられた」と振り返った。続けて「『名人』という言葉には子どもの頃から憧れの気持ちがあり、今回の就位には大変な感慨があります」と述べ、「この地位に見合った将棋がさせるよう、今後より一層精進していきたいと思います」とあいさつした。

今期初めて名人戦挑戦権を争う10人総当たりのA級順位戦に、1クラス下のB級1組から昇級した。昇級即挑戦は過去9人。このうち獲得できたのは、1983年(昭58)に21歳2カ月と当時の最年少記録を持っていた谷川浩司九段(61)、96年に7冠全制覇を果たした羽生、16年に羽生から名人を奪った佐藤天彦九段(35)の3人だけ。藤井がその仲間入りを果たした。同時に加藤一二三・九段(83=引退)、谷川、羽生、渡辺、藤井と歴代中学生棋士は全員、名人を獲得した。

4日には王座戦挑戦者決定戦を制し、初めての挑戦権を獲得したばかり。将棋界に8つあるタイトルのうち、竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖と7冠を保持する藤井にとって、まだ獲得していないタイトルは王座だけ。またとないチャンスが巡ってきた。直後の会見では、「挑戦できるのは貴重な機会ですし、全力を尽くしたいと思います」と語った。

その前に、挑戦者の佐々木大地七段(28)に3連勝と、防衛と4連覇まであと1勝とした王位戦7番勝負第4局が15、16日と佐賀県嬉野市である。こちらをこなした上で、永瀬拓矢王座(30)に挑戦する王座戦5番勝負が、31日に第1局(神奈川県秦野市)を迎える。

「熱い」8月、重要な対局が控えている。その前に、子どものころからのあこがれだったタイトルの「名人」を獲得した喜びを胸に、ステップアップを図り、将棋界統一を目指す。