東京都は19日、旧築地市場(中央区)の跡地再開発事業をめぐり、事業予定者が、三井不動産を代表企業とするグループ企業体に決定したと発表した。

スポーツイベントや大規模展示が可能な収容人数約5万人の全天候・多機能型施設収容のスタジアムを建設するほか、ホテルや舟運などの交通インフラを整備。築地の歴史を踏まえ「食」や「文化・芸術」が担当できるフードホールやシアターなども併設し「築地ブランド」を発信するとしている。

都が発表した資料によると、企業体のグループ名は「ONE PARK×ONE TOWN」で「自然と都市が呼応して重なり合う“生命体”としてのまち」がテーマ。三井不動産のほか、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店、日建設計、パシフィックコンサルタンツ、朝日新聞社、トヨタ自動車の11社で構成される。

再開発が行われる事業区域は、隅田川に面した築地5丁目、6丁目にまたがる約19ヘクタールの都有地。今後は24年度末に、都と事業予定者などによる基本協定の締結が予定され、25年度には「にぎわい施設」が先行して着工が予定される。

大部分の施設は2032年度に開業予定で、最終的な建築工事完了時期は2038年度としている。

旧築地市場は、日本橋の魚市場と京橋の青果市場が移転して1935年(昭10)に開場。東京都民だけでなく、日本、世界の人々にその名を知られた。施設の老朽化などから2018年に当地での営業を終え、市場の機能は豊洲に移転した。その後、跡地は2021年の東京オリンピック(五輪)パラリンピックで輸送拠点として使用された。