衆院3補選が28日、投開票され、立憲民主党が東京15区、島根1区、長崎3区の3補選ともに党候補の当選を決めた。2021年11月の代表就任後、補選での勝利がなかった泉健太代表にとっては、初めての補選勝利となった。

自民党と唯一のガチンコ対決となった、保守王国の衆院島根1区では元衆院議員の亀井亜紀子氏(58)を擁立。自民党の錦織功政氏(55)を下し、東京15区でも9人の乱立戦を制して酒井菜摘氏(37)が勝利。長崎3区では前職の山田勝彦氏(44)が、次期衆院選で野党第1党の座を狙う日本維新の会の候補を退けた。今回の補選の結果は、今秋に代表任期を迎える泉氏自身の今後にも影響するとみられていたが、補選勝利を受けて「党の顔」を続ける道が開ける形にもなった。

補選という国政選挙で示された「直近の民意」が、保守王国島根での「岸田NO」となって有権者の意思として突きつけられたことに、立民内では勢いづいている。今後は、岸田文雄首相への追及姿勢を強め、首相をさらに追い込んでいく方針だ。

泉氏は19日の定例会見で島根1区に触れ「ここで自民党、岸田総理に処分を下せば、政治は大きく変わる。総選挙まで待つ必要はない。岸田総理に退陣を迫っていくことを、党として取り組んでいきたい」と述べていた。島根1区には選挙中、計6回応援に入った。

立民は、自民党議員の「政治とカネ」による辞職に伴う昨年4月の衆院千葉5区補選で、野党候補の一本化がかなわず、自民党候補に敗北した苦い記憶がある。この時の衆参5補選では、候補を擁立した3補選で全敗し、泉氏の責任論も浮上していただけに、今回はそれと対照的な結果となった。