小泉進次郎農相は28日、衆院農林水産委員会で21日の大臣就任後、初の国会質疑に臨み、政府備蓄米の随意契約による「5キロ2000円」での販売について説明に追われた。野党3党トップを含め「2000円は適正価格?」の質問が相次ぎ、「バナナのたたき売りじゃない。気合は分かるが…」と指摘される場面も。米のマーケットの冷静化に向けた「入り口」だと強調したが、身内の自民議員からも苦言を呈され、波乱のデビュー戦となった。
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農相として与野党論戦デビュー戦となった進次郎氏に、この日、各党議員から寄せられた質問は、進次郎氏肝いり、随意契約による政府備蓄米について最初に発信した「5キロ2000円」の妥当性だった。
「時の人」の初質疑とあって、立憲民主、国民民主、日本維新の会はトップ3人がそろい踏み。野田政権の首相時代以来、14年ぶりに攻守を変えての対決となった野田氏は「気合が入っているのは分かるが、バナナのたたき売りではない。気合は分かるがそれが適正価格なのか」と指摘。「消費者にとっては安いほどいいが、生産者にとっても適正価格は何かをバランス良く考えないといけない」と苦言を呈した。国民の玉木雄一郎代表は、10万トン放出予定の2021年産の「古古古米」について「あと1年たてば動物のえさ米になるようなもの。それを『安く売る』と言っても、そりゃ安く出ますよ」と、指摘した。
進次郎氏は備蓄米価格の妥当性について「生産者にとっての適正価格ではないと思うが、古い備蓄米を卸す価格としては適正」とした上で「今回は、高すぎるマーケットに備蓄米を入れることで確実に安定した方向に下げる。それで消費者のコメ離れを防ぐ」ためと主張。週明けに店頭に2000円の備蓄米が並ぶとして「一定程度効果が出てきた」と理解を求めたが、説明に追われる場面が目立った。
課題も多い。前原氏に備蓄米の転売の可能性を指摘されると、「さまざまな検討が必要だ」と応じるにとどめた。
一方、身内の自民党の鈴木貴子議員には、就任直後に「備蓄米を2000円台にする」と発言したことを「足りない枕ことばがあったのではないか。反省というか、発信の仕方を考えていただきたい」と指摘され「今の石破政権には、目先の対応はあっても、中・長期的な食糧安全保障への信念がない」と、苦言を呈される場面もあった。
それでも走り始めた「小泉コメ劇場」。購入申し込み殺到で27日に1度休止した備蓄米の購入受け付けは30日にも再開する。これまでは大手小売りが対象だったが、今後は中小スーパーや地域の米店に切り替える。出す備蓄米は2021年の古古古米となるため、店頭価格は「5キロ1800円」程度(税抜き)を想定しており、数量制限も設けるという。
進次郎氏は29日、参院の農林水産委員会で再び、農政の論客たちと向き合う。【中山知子】

