長年、政界の取材を続ける政治ジャーナリスト後藤健次氏は、20日夜に放送されたBS-TBS「報道1930」(月~金曜午後7時30分)に出演。19日に行われた高市早苗首相の衆院解散表明の記者会見をめぐり、首相が今も慕う安倍晋三元首相のスタイルに「あやかったのでは」との認識を示した。 記者会見の内容を踏まえ、キャスターの松原耕二氏に「支持率が高い高市総理がいいのか、(新党「中道改革連合」を結成する立民の)野田(佳彦)さんがいいのか、(公明の)斉藤(鉄夫)さんがいいのか、大統領制のようにどちらか選んでくださいね、という土俵に持ち込もうとしている」と問われた後藤氏は、「最大の眼目は、なぜ今なのかということ。遅すぎて、早すぎた」と主張。「遅すぎた、というのは、維新との枠組みを問うなら、とうの昔にやっていないといけない。遅くとも昨年の暮れの補正予算が成立した後、予算編成をする前に『この枠組みでいいのか』と問うのが1つの筋。早すぎる、というのは、自分で予算を作って、その予算審議が遅れるのを分かっていてなぜこの時期にやるのか」と疑問を呈しながら、「やっぱり、安倍さんだなと」と指摘した。

「記者会見が午後6時から始まり、30分演説した後、幹事社が2社質問し、その後で他社が質問する。そうすると(NHKの)7時のニュースが迫り、午後6時45分には(NHKの)中継は終わる。これは安倍さんが確立した、完全なメディア対策のパターンだ」と指摘。「しかも、司会は安倍さんの秘書官やスピーチライターをやっていた(内閣広報官の)佐伯耕三さん。安倍さんの勝利の方程式を、私もやってみたいという思いに駆られたのではないかと思うくらいだ」と述べた。

安倍氏が首相在任中、2度の衆院解散総選挙でともに自民党を勝利させたことを念頭に、「安倍さんは、選挙を繰り返すことで安定政権になった。安倍さんとはまったく違った背景なんだけど、(高市首相は)そこにあやかって、その領域に達したい、という思いに駆られたと思う」とも述べた。

また「聞いていて、『私が、私が』が多く、自民党という名前はほとんど出てこなかった。ある人に言わせると『相撲で言えば、行事と呼び出しだけが先に集められ、(当初)関取には声がかかっていなかった』と」と、関係者の言葉を紹介しながら、「異例の解散記者会見だった」と振り返った。