政府は30日、2月8日投開票の衆院選をめぐって、入試時期との重複を踏まえた選挙活動での配慮を要請し、さまざまな議論が巻き起こっている。

佐藤啓官房副長官は30日の記者会見で、衆院選が大学などの入試時期と重なることを踏まえ、学校周辺での街頭演説など選挙運動に配慮が必要だとの認識を示した。

候補者の中には、政府による要請の前から、対応していたケースもある。東京18区(武蔵野市、小金井市、西東京市)で立候補している「再生の道」吉田綾氏(40)は公示日当日から、既に受験生に配慮した独自の対応を取っていた。東京では2月1日から中学受験が次々と始まることを前提に、一部地域でマイクの音量を下げて演説を展開。公職選挙法の規定により、学校周辺での演説は自主規制して慎重に対応するのが鉄則の中、吉田氏の陣営は学校の位置はもちろん、演説会場周辺の塾の位置もリサーチ済み。塾の学習時間を聞いた上で、その時間外での演説を心がけているという。

陣営によると、選挙カーに登壇しての演説では、場所によってマイク音量を通常の8割減で行っているという。本来の檀上演説では、高層マンションなどに声を反響させて音量を増幅させる狙いがあるというが、今回は演説場所によって音量調整して下げている。教育を公約の1つに掲げる吉田氏は「私が教育をテーマに掲げているのもあって、受験生には迷惑をかけたくない」と理由を語った。5歳の子供を持つ一児の母でもあり「子供にとっても大変な時期」とした上で、受験生に配慮した選挙戦を展開している。

政府による配慮要請の前日29日に生配信で行われたYouTubeチャンネル「ReHacQ」の東京18区ネット討論会であ、吉田氏は他の候補者にもマイクの音量減を呼びかけていた。「ご提案なんですけど、18区って学校や塾が多いんですね。私たちは受験期間中に選挙活動をしていることに対し、ものすごくご不満の声が学校とか親御さんから届いてるんです。なので18区だけでもせめて、受験の時とか子供が勉強している時、塾の周りでガーガー演説しないっていうのをやっていきませんか」と投げかけた。

司会を務めた元TBSのJNN中東支局長の須賀川拓氏が「最後に皆さんへの提案ですね」と展開すると、当日欠席していた中道改革連合の松下玲子氏(55)を除く、自民党の福田かおる氏(40)、参政党の徳永由紀子氏(48)、国民民主党の鈴木佑馬氏(39)は大きくうなずき、同意の意思を示していた。